「発音記号は覚えなくてもよい」も一理ある・・・その理由

 

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英語コーチ/英語トレーナー。オンライン(スカイプ・電話)と那覇教室にて英語学習のコーチングおよび、英会話を教えています。くわしいプロフィールはコチラ

MAKI

英語指導者や本を執筆している英語教育の評論家の中には、「発音記号は覚えなくてよい」と主張する人がいます。

私は、どっちかというと「発音記号覚えるべき」派なのですが、まぁ、「発音記号は覚えなくてもいい」と主張する人の気持ちもわかるんですよ。

つまり、発音記号を知らなくても英語が話せている人はいるわけで・・・

今日は私の中に、少しある「発音記号は覚えなくてもいいかも・・・」な考えの根拠と、発音記号をやらない場合の代替アイデアなどについてお伝えしたいと思います。

「ネイティブは発音記号を知らない」ことを知った私の衝撃(?)体験

発音記号を知らなくても、英語をパーフェクトに話せている人、それは、「ネイティブスピーカー」です!(笑)

ネイティブは、ほとんどの人が発音記号を知りません。

私が、この驚愕(←私にとっては)の事実を知ったのは、イギリスで英語教授法(CELAT)のトレーニング中でした。

CELTAって何?という方は、よろしければコチラをお読みください。↓

CELTA(英語指導者資格)とは



CELTAの講義の1コマで「発音」教授法をテーマにした授業があったんですが・・・

先生がクラスメイトたちに、「自分の名前を発音記号で書いてみなさい」と指示しました。

その先生の指示に、私はとりあえず、「う~~ん。」と頭を悩ませながらも一通り書いてみました。

先生が「書けた人~??」と挙手を求めると、

手を挙げたのは、なんと私だけ!

私以外のクラスメイト(みんなネイティブ)の誰一人、書くことすらできなかったのです。

そもそも・・・「発音記号」って何??

というレベルでした。

そして、発音記号の紙が配られると、クラスメイトたちは、

「な、なんなの?!この変な記号は~~??」

とびっくり。

そんなネイティブたちのびっくり反応を見て私もびっくり(笑)。

さらに一通り発音記号を学んだあと、発音記号が書かれたカードを使った、ちょっとしたゲームをみんなでやることになったんです。

ルールは、以下のような感じ。

①一人数枚の発音記号カードを持って歩き、出会った人とお互いに持っているカードに書かれた発音記号を声に出して読む

②相手のカードの発音記号を読めたら、そのカードを奪い取れる

③最後に一番たくさんカードを持っている人が勝ち!

ゲームをしているときに気づいたのですが、彼らは、アルファベットと同じ記号のものは読めても、æ、θ、ʃ などのカードを出すと、???状態になっちゃうんですよ^^

その結果・・・

なんと、私があっさりとほぼ全員のカードを奪い取れちゃったんです。

ノンネイティブで落ちこぼれだった私が、ほぼ唯一、称賛された瞬間でした(笑)。

で、私はクラスメイトに聞いたんです。

「発音記号を知らないで、どうやって英語の単語を読むの?」

と。

そうしたら、

「え??・・・声に出して・・・だけど」

との答え。

う~ん。そりゃそうよね・・・(笑)

発音記号を覚えないで発音上達する方法もある

そう、ネイティブは、小さい頃から英語の音を聞いて、英語を自分で声に出して、・・・という感じで発音を覚えていく。

英語(単語やセンテンス)の読み方も、両親や先生が読んでいるのを聞いて、自分でも声を出して学んでいく。

上述した私の経験からは、次のような考え方もできるのでしょう。

「発音記号を知らなくても、英語環境にいて英語を聞き続けていれば、英語は正しく発音できるのではないか。」

そう、日本人も、文字を見ながらネイティブ音声(今ならCDからネット上に大量にある!)を聞いていけば正しい発音は身に付く、・・・のではないかと考える人がいても不思議ではないと思うのです。

た・だ・し!

発音記号なしでネイティブと同じように発音を習得しようと思ったら、彼らが小さい頃から費やした時間と根性が必要だと思います。

それぐらいの根性と時間をかければ、発音記号は不要かもしれません。

しかし、私たちが認識しておくべき事実は、「母国語の習得と外国語の習得は、根本的に違う」ということです。

「発音記号は覚えなくてもいい!」という発音記号不要論者の言い分としては、「単語やセンテンスの発音は耳で聞いて覚えるのがいい、だから発音記号は覚える必要なし!」というものです。

確かに、最近の電子辞書や辞書アプリのほとんどが、ネイティブの音声付きなので、それを聞いたらどんな音か大体わかるし、発音も真似すれば大丈夫でしょう。

しかし、すべての発音を聞いただけでマスターするのはかなりむずかしいと思われます。

英語の「音」は、英語を外国語として習得するノンネイティブにとっては、いくら音だけ聞いても、正確に聞き取れない、発音できない・・・ということが起こります。

とくに、英語の音とは大きく異なる「日本語の音」に慣れきっている日本人にとっては、英語の音は正しく認識し辛いものです。

もし、まったく英語の発音の知識を持っていない状態で、聞いただけで英語の発音が正しくできるというのなら、その人はよほど音に関する感度がいい人か、幼い頃に生の英語に触れる環境にあった人だと思います。

そうした、特別な音感を持った人や幼い頃から英語環境にあったバイリンガルを除いて、ある程度年齢がいって(言語習得のクリティカルピリオドを過ぎて)完全に日本語の音に慣れきっている日本人が、「英語の音を聞くだけで正しい発音をマスターする」のは、現実的に無理があるのではないかと思うのです。

発音記号はフォニックスで代用できる?

ネイティブは発音記号は知らないけれど、フォニックスは知っています。

欧米圏の子どもたちは初等教育でフォニックスを学んでいます。

フォニックスについては、別記事で書いてますのでよろしかったら参考にしてください。↓

英語の発音が上達する?!フォニックスを学ぶメリット



フォニックスは、文字と音の結びつきのルールです、

フォニックスも英語の文字(スペル)から正しく発音するために、文字と音を1対1で対応させるために開発された音声学の一種です。

フォニックスを覚えると、文字(スペル)見れば英語の音に変えることができるようになったり、逆に英語の音を聞けば文字(スペル)が正しく書けるようになったりします。

ところが、フォニックスはあくまで汎用的なルールであり、限界があります。

フォニックスだけで音とスペルを1対1で対応させることが難しく、フォニックスルールで対応できない例外があるのです。

フォニックスのルールでカバーできるのは全体の75%程度で、残りの25%はフォニックスのルールが適用されない読み方があるので注意が必要です。

フォニックスの弱点と注意点



とはいえ、フォニックスは発音記号にくらべると簡単で、馴染みやすく、フォニックスを学びながら発音が良くなることも期待できるので、「発音記号はとっつきにくい」という人はフォニックスから入るのもおすすめです。

発音記号は、正しい発音をするための便利ツール!

私は、発音記号は、英語を読むための「ルビ」みたいなものだと思うのです。

小学生が漢字を習うときに、最初は漢字の上にルビがふられたものを読むと思います。

ルビを見ながら漢字を見て読めるようになっていきます。

だから、発音記号は「こうやって読むんだよ」という漢字のルビのようなもので、それを使ったほうが正確に手っ取り早く英語の音をマスターしていけるんですよね。

発音は音を聞きながら確認したい、という人は、それはそれでいいんですよ。

だから私は、「発音記号は必ず覚えるべき!」とまでは言わないけれど、「発音記号って便利だから覚えたほうが得だよ!」と言うんです^^