「発音記号って覚えるべき?」という質問をよく受けます。
「発音記号を覚えるべきかどうか」については、英語指導者の中でも意見が分かれるところですが・・・
私の意見を率直に言うと、
「発音記号は必ずしも覚えなきゃならないものではないけれど、発音記号を知ってた方がけっこう得することが多いよ!」
ということです。
ま、どっちか?って言うと「発音記号、覚えるべき」派ですね。
なぜ、私が「発音記号は覚えるべき」と考えるのか、その理由を含めてお伝えしたいと思います。
そもそも発音記号って何なの??
発音記号は、英語の音を体系的かつ忠実に再現するための記号(符号)のことです。
英語の文字(スペル)と音は完全に1対1ではありません。
英語の文字(スペル)から、すぐに正しい発音がわかる・・・というのはネイティブか、ノンネイティブでも英語上級者に限られると思います。
そこで、発音記号が役に立つわけです。
発音記号の役割は、単語の音を正確に伝えることです。
ほぼ全ての発音記号が、英語の「音」と1対1で対応しています。
つまり、「この音は必ずこの発音記号」もしくは「この発音記号は必ずこの音」という関係が成立しているわけです。
ですので、発音記号と音の関係を理解していれば、発音記号から正しい英語の音を理解することが出来るようになっています。
イメージとしては、発音記号が、1対1になっていない英語の音と文字の間のいわば「橋渡し」をしてくれているのです。
ノンネイティブ、中でもアルファベットに慣れていない言語領域の人間にとっては、英語の文字だけを見て正しい音を出すのはほぼ不可能です。
発音記号は、その発音記号がどんな音なのかを知っていれば、音をリアルにイメージでき、実際の音を聞かなくても正しい発音が分かるということになります。
英語学習者で正しい発音が出来ている人は発音記号を知っている
日本で英語を学んだ人で正しい発音ができている人というのは、たいてい発音記号がしっかり頭に入っているはずです。
一方で、正しい発音ができていない人や英語の発音に悩んでいる人の多くが、発音記号を覚えていません。
これは、多くの日本人が、英語の発音をカタカナで覚えていることに大いに関連があると思います。
英語の発音をカタカナで覚えていると発音がカタカタ発音になってしまって、実際の正しい発音ができなくなってしまいます。
またカタカナ英語で覚えていると、正しく発音できないだけでなく、英語を聞くときにも「英語の音」として正しく認識できません。
発音記号を覚えることのメリット
発音記号を覚えるのは一見面倒だったり遠回りに思えるかもしれませんが、発音記号を覚えることは発音上達に役立つのはもちろんのこと、学習効率やリスニング力の面からもメリットが多いのです。
単語集を使って勉強する際に、発音を一緒覚えられる
発音記号を覚えれば、辞書や単語の本を見たときに正しい発音とともにインプットできます。
単語の勉強法は人それぞれあると思いますが、多くの人が市販の単語集を使って勉強をすると思います。
特に英検やTOEICなどの英語系資格試験や大学受験のために単語を多く覚えようとしている学習者は、試験対策用の単語集で勉強することが多いと思います。
そして、ほとんどの単語帳には英単語の横に発音記号が書いてあります。
発音記号を知っておけば、単語を覚えるついでに発音も一緒に覚えられます。
また、英単語はスペルと意味だけで覚えるよりも、音も一緒に覚えたほうが記憶に定着しやすいのです。
単語の本で単語を覚えるとき、わからない単語に出会って辞書を調べたとき、単語の文字列と意味だけを見たのでは、単語は「英語」として記憶に定着しません。
言語は基本的に「聞く」「話す」ものなので、正しい音がわからなければ頭の中に残りにくいのです。
逆に、読み方(つまり、正しい発音)とともに単語を覚えていけば、「英語」として蓄積されていきます。
一方で、市販の単語集や参考書などで英語を学習しているときに、始めて出会う単語を覚えるときに多くの英語学習者がやってしまいがちなのが、以下のようなことです。
①スペルを見て適当に(orローマ字読み)している
②電子辞書などで音声を聞いて、カタカナで書く
私たち日本人は学校で英語を学ぶときにローマ字を先に習っているので、英単語のスペルを見て意識的か無意識的にかローマ字風に読んでしまいがちです。
②のカタカナで英語の発音を書く、ということも多くの人やりがちです。
カタカナで書いていると日本語的な発音が定着してしまい、本物の英語の発音を聞いたときに理解できない・・・
すなわち自分のしている単語と結びつかないということになります。
こうした発音の理解をしていると、後述しますがリスニング力に大きな影響が出てくるのです。
発音記号を知れば学習効率が上がる
発音記号を覚えなくても、最近は電子辞書や辞書アプリで音を確認できるので、「ど~しても発音記号は覚えたくない!」という方は、そうした音声で発音を確認する、という手もあります。
が、いちいち音声機能で確認していては、少々時間のロスになったり、時には「メンドクサイ・・・」ということになるのではないでしょうか?
単語本にCDなどの音源がついているので、音を聞きながら覚えることもできますが、また、単語を覚えるときに、そのたびにいちいち音源を確認するというのも面倒ではないでしょうか?
もちろん、音源を聞きながら単語を覚えるのがベターなのですが、その場合でも、発音記号も見ながら音源を聞くことで、発音記号のもつ理屈とともに、より正確な発音としてインプットすることができます。
英語の学習がより効率的になる
単語を覚える時点で、同時に正しい発音も覚えていくという勉強方法は時間の短縮にもなり、学習時間を有効に使う一つの手段になります。
リスニング力やスピーキング力アップにつながる
単語を覚えようとするときに、とりあえず英語(のつづり)と意味だけをインプットしている人もいます。
とりあえず、英単語は意味が分かればいいというのならば、英単語と意味だけをどんどん覚えていった方が、一見、効率的にも思えます。
しかし、そうした発音を無視して記憶した単語は、リスニングや英会話で出てきたときに、自分の知っている英語だと認識されない可能性があります。
また、英語を間違った発音で覚えてしまって、リスニングで聞いたときに単語を理解できないということが往々にしてあります。
例えば、“vitamin”という単語は、日本語として「ビタミン」として定着してますが、
“vitamin”は発音記号では“váitəmin”で、あえてカタカナで書くと「ヴァイタミン」です。
この“vitamin”以外にも”iron”を「アイロン」と読んでいたり、”energy”を「エネルギー」と発音してしまうなど、間違った発音で思い込みがちな英単語は少なくありません。
リスニング力アップには、カタカナ英語やローマ字読みではなく、英語本来の正しい発音で覚えておくことが必要です。
したがって、発音記号をしっかりと理解しておけば、正しい発音で英語がインプットされた状態になるので、リスニング力アップにも効果的なのです。
発音の違いを正しく知ることができる
発音記号の発音の仕方を覚えることが出来れば、簡単に発音の違いを理解することが出来ます。
例えば、”fur”と”far”、”hat”と”hut”と”hot”を正しく聞き分けたり、それぞれを区別して正しく発音することは、幼い頃から英語環境で育った人を除き、多くの日本人にとっては難しいでしょう。
これが、発音記号と記号に対応する音が分かっていれば、耳で聞き分けるのが難しくても理屈で違いがわかります。
そして、発音記号を見ながら音の出し方をトレーニングすることで、正しく発音できるようになるし、結果的に聞き分けられるようになります。
「英語の発音記号は覚えるべき?」まとめ
「発音記号なんて今更・・・」とか「発音記号を覚えるなんて時間の無駄!その分単語を覚えたほうが有意義だ」
と思うかもしれません。
正しい発音ができている人というのは発音記号を「その発音記号はどうやって発音する(される)のか」を含めて知っています。
発音記号を知れば、辞書などを見たときに正しい発音ができるようになるので、これを機にあなたもしっかりと覚えておくことをオススメします。
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WRITER この記事を書いている人
MAKI
3ヶ月で必ず目標達成をさせる英語コーチ。オンライン(Zoom)で英語コーチングプログラムを提供。世界でもっとも認知度の高い国際的英語指導資格(ケンブリッジCELTA)を持地、1000人以上の英語指導経験から、お一人お一人にあった英語学習戦略を組み立て、徹底サポート。自身が「英語が話せない」「TOEIC490点」「長い英語コンプレックス」という状態から、ほぼ独学で、TOEIC960点、英検1級、通訳・翻訳をこなすスピーキング力を身につけた逆転の女王(笑)へ!「英語が苦手!嫌い!」という学習者の気持ちが熟知し、1日も早く英語マスターへと導くお助けマンです。
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