英検準1級の長文問題には「空所補充問題」と「内容一致問題」があります。準1級の長文はとても難易度が高いですが、正しく攻略すれば得点に繋がります。今回は「空所補充問題」と「内容一致問題」それぞれの攻略法を詳しくお伝えします。
目次
英検の長文は「空所補充」と「内容一致選択」
英検の長文問題には、前半の空所補充問題と後半の内容一致選択問題の2つがあります。
この2つについてまずは簡単に説明します。
①空所補充問題(前半)
問題文のカッコ内に、文脈に合う答えを入れる問題です。
250〜300文字程度で文章が短く、使われている単語など内容も比較的やさし目です。
よって、なるべく短い時間で効率よく解き、確実に正解したい問題です。
②内容一致選択問題(後半)
長文の内容について答える問題で、選択肢の中からかっこ内に正しい語句を入れます。
段落に分かれた長文で難易度が高く、解くのにある程度時間を要します。
空所補充問題と内容一致選択問題それぞれの特徴と対策方法を1つずつ詳しく解説します。
長文対策:空所補充問題とは
長文の文脈にあう適切な語句をえらぶ問題で、A,Bの2題(設問3問ずつ)あります。
・1題が250〜300字程度
・1題の中に3つの空所がある。
このような構成になっています。
科学・社会・歴史といった題材が多く、内容も日本国内の話題だけでなく海外にも及びます。
空所補充問題は使われている英単語や英語表現が比較的易しめです。空所補充問題の後には内容一致問題が控えており、こちらに時間を割くためにもここではあまり時間をかけないのが得策です。短い時間で効率よく解いていく必要があります。
長文対策:空所補充問題の攻略法
では実際に、効率よくたくさん得点できる方法をご紹介します。
空所補充問題は15分で解く
2題を15分で解くことを目標にしましょう!
つまり、1つの長文にかけられる時間は7~8分程度です。
語彙や表現が易しめなので、スピーディに読み進めていきましょう。
一語一語丁寧に意味をとろうとすると時間が足りなくなってしまうので、全ての文章をじっくり読む必要はありません。
ポイントをおさえながら読むことが大事です。
Point1 書き出しの1〜2行に注目する
タイトルと、トピックセンテンス(書き出しの文章1〜2行)にはしっかり目を通しましょう。全体の内容はざっと把握でOKです。
トピックセンテンスは大抵、段落の最初に来ます。その段落の主な論点を表すことが多いので書き出しの文章は注意深く読みましょう。
トピックセンテンスは正答を導き出す上で大きなヒントになります。
Point2 各段落の最初の文章に注目する
問題は、各段落に1つずつカッコがある、というパターンが多いです。なので、各段落の最初の文章に注目しましょう 。
段落の一番初めの文章は、その段落の内容を要約をするトピックセンテンスが来ることが多いです。ですからしっかり読んで理解しましょう。
Point3 カッコの前後を重点的に読む
トピックセンテンスをしっかり読み込んだら、それ以外の文章は一語一句じっくり読まなくてもOKです。
ただし、カッコの前後の部分はしっかり読みましょう。問題となるカッコの前後には重要な要素が含まれているからです。
できれば、カッコを含む段落の内容をざっくり理解しながら、カッコ前後の表現、代名詞、言い換え表現などに注意を払いましょう。
各段落の最初の文章とカッコの前後を重点的に読み、他の部分は ザーッと読むという風に緩急つけて読むのがポイントです 。
Point4 全文を読んでから問題を解き始めない
問題文を全て読んでから問題を解き始めるのはおすすめしません。前述したように空所補充問題にはあまりたくさんの時間をかけるのは得策でないため、時短スタイルが望ましいです。
長文を読みながら、カッコに差し掛かったら問題を解くスタイルでいきましょう!
つまり読みながら解くイメージです。
①最初の書き出しの文章をしっかり読み込み、
↓
②他の文章はザッと目を通しながら読み進め、
↓
③カッコが近づいたらまた精読。
カッコの周りをしっかり読んで、その問題を解いたら
↓
④次の段落へと読み進める
このような流れでやるのが効率的です。
Point5 接続表現をマスターして文章全体を把握しよう
長文の内容を理解する上で、カッコ内の空所を含む文は、前文の内容をどのように受けているのか?これを把握する必要があります。
同じように、全ての段落全体を通した文章の流れを把握する必要もあります。
段落と段落の関係は順接なのか?逆説なのか?
論理展開を表す接続表現に注目しましょう。
トピックを示し、それをサポートする具体例が続くのが英文の典型的パターンです。
接続表現に注目して、文と文、段落と段落の繋がり・関係性を正確に把握し、論理展開を読み取れるようにします。
また、英検準1級では、and,so,butなどの簡単な接続詞ではなく、もう少し難しめの接続副詞が出てきます。今一度おさらいしてしっかりマスターしておきましょう!
<接続詞・副詞(つなぎ言葉)の例>
順接: therefore「それゆえに」
逆説:however「しかしながら」
譲歩:even if 「例え〜でも」
対照:on the contrary
要約:in short
例示:for example
話の流れを方向付けるのがつなぎ言葉(接続表現)。つなぎ言葉に着目すれば、選択肢を見なくてもカッコの中の内容をある程度推測できることもあります。
普段の学習から、カッコが来たらすぐに選択肢を見るのではなく、 接続表現に注目しながら
「こんな言葉が来るのではないか?」
と当たりをつけてから選択肢を見る、という習慣をつけてみましょう。
これをやることで読解力がつきますし、より確実に正しい答えを根拠を持って選べるようになっていきます。
どうしてもわからない時は捨てる勇気
これまでお伝えしてきたやり方で挑んでも、なかなか答えが出ないときは、いつまでも考え込まないで、最もらしい選択肢を選んで切り上げ、次の問題に進みましょう。
最後の空所問題を解いた後に、わからなかった問題に戻ると解ける場合もあります。
読み進めていく中で段落と段落の関係性を把握することで話の流れが掴め、問題を解くヒントになることもあるからです 。
ただ、最後の問題を解いた後に前の問題に戻ってみてもどうしてもわからない場合は潔く 次の問題に進みましょう。
〜空所補充問題対策まとめ〜
・タイトルや書き出しの文章から全体の内容を素早く把握し、カッコの前後を重点的に読んで効率よく解く
・文章全体の流れを把握するために接続表現をマスターする
・時間をかけすぎず効率的に進める
なんとなく、空所補充問題のコツがわかってきたのではないかと思います。
では次に、長文問題の後半「内容一致問題」の攻略方法を解説していきます。
長文対策:内容一致選択問題とは
内容一致問題は、長文の内容に関する質問に答える問題で、下記の2つで構成されています。
・説明文 400語 3問
・説明文 500語 4問
※以前はこれに加えて説明文300語8分3つがありましたが2024年に新形式にリニューアルされてからはこの問題はなくなりました 。
長文問題の前半に出題される「空所補充問題」に比べて、 英文が長く難しく設問数も多いです 。
よってここでも時間配分が非常に大切になってきます。英検の本番対策は、とにかくタイムマネジメントが肝といっても過言ではありません。
公にはされていませんが、同じ長文問題でもこちらの「内容一致問題」 の方が配点の比率が高いと言われています。
ここで 正答することが点数を稼げるポイントにもなってくるので、しっかり対策しておきましょう!
長文対策:内容一致選択問題の攻略法
内容一致問題の長文は、内容そのものが非常に難しいです。日常生活ではあまり目にしないような専門的なトピックが多いのです。
・社会
・経済
・環境問題
・自然科学
・文化
・歴史(国内だけでなく海外の分野も)
など、多岐に渡ります。
本番で面食らわないためにも、普段から 過去問や模擬試験を通してこういった 難しい題材に慣れておきましょう。
内容一致問題は30分以内が目標
内容一致問題はボリュームがあるので、限られた時間の中で効率よく解く必要があります。
この後に英作文問題が控えているので、内容一致問題で時間を取りすぎると最後まで問題を解ききれずタイムオーバーなんていうことも。
ここは25〜30分以内で終わらせられるように頑張りましょう。
時間との勝負なので、問題文の一語一句、一文一文をじっくり理解しながら読んでいる時間はありません。
試験に向けて、普段から時間設定をして問題を解く練習をしておきましょう。
では次に、具体的な解き方を解説していきます。
Point①設問にざっと目を通す
あらかじめ設問に目を通しておくことで、文章全体のおおよその流れを掴む手がかりを得ることができます。
各段落に関する質問が順番に出題されるので、はじめに設問に目を通して大方のストーリーの流れを把握しましょう。
コツとして、頭に入れて欲しいことは2つ。
①タイトルから大まかな内容をつかめる
②文章の書き出しに要旨がくることが多い
ここを意識して読みましょう。
「タイトル」「 書き出しの1〜2文」「 設問」を読んで、全体像をざっくり把握するのです 。
このとき、選択肢は見ないでください!
よく「選択肢もしっかり読んだ方がいいですか?」 と質問されることがあるのですが、
4つある選択肢のうちたった1つが正解なので、間違っている残りの3つをじっくり読んでいては時間がもったいありません。
じっくり読むのは設問の主語・ 動詞ぐらいに留めて、なるべく時間をかけないようにしましょう 。
Point②トピックセンテンスとサポートセンテンス
内容一致選択問題では各段落がどんな内容なのか?ということが問われます。
英文は、1つの段落に1つのトピックや主張が含まれています。
ここをしっかり読み取れる力が鍵となってきます。
各段落の最初の1〜2文はその段落の趣旨(「こういうことを話しますよ〜」という文)なので特に重要です。これをトピックセンテンスと言います。
最初の文章で、「う〜ん、よくわからないなぁ〜」と思うこともあるかもしれません。ですが、トピックセンテンスに続いてサポートセンテンスと呼ばれる「根拠」や「具体例」が出てくると、「あ、そういうことか」と理解できる場合が多いので、素早く読み進めて、段落の言わんとすることをおさえましょう。
トピックセンテンス=各段落の要旨
サポートセンテンス=トピックセンテンスの根拠や具体例など
問題の解き方としては、
①1つの段落を読んだら、その段落の内容を問う設問を見る
↓
②解けなかった場合、そこで時間をかけないで次の段落に進み、全体を終えてから、わからなかった設問に戻る
この流れで進めてください。
問題を解く手がかりになりそうな箇所には 印をつけておくと良いです。また、設問に関係のある場所を大まかにでも押さえておきましょう。
どのあたりに何が書かれているか?を意識しながらスピーディに進めましょう。
Point③パラグラフリーディング
長文問題を解く際には、パラグラフリーディングが鍵となります。
1つの段落の中で何を言わんとしているのかや、段落と段落の関係にもしっかり注目して文章全体を把握する必要があるからです。
そこで、キーワードと接続表現に注目することがポイントです。
・文章の中に何度も出てくる重要なキーワードをつかむ
・論理展開を表す接続表現(接続詞や接続副詞)に注目する
繰り返し使われるワードは重要度が高いのでしっかりチェックしましょう。
また、段落と段落の関係性を理解することで文全体を把握できるので、接続詞や接続副詞にも注目します。
前半の空所補充問題の攻略法でも伝えましたが、選択問題でも同様です。
繰り返しになりますが、下記のような接続表現をしっかりマスターしておくことが欠かせません。今一度おさらいしておきましょう。
例)
順接:besides「さらに」
逆接: nevertheless「〜にもかかわらず」
対比:on the contrary「反対に」
結論: therefore「それゆえ」
言い換え:in other words「言い換えると」
Point④スラッシュリーディング
英検準1級にもなると 英文を早く正確に読む長文読解力が試されてきます 。
そのために効果的なのがスラッシュ リーディングです 。
スラッシュリーディングとは、
・意味のまとまりごとに読んでいく
・英語の語順通りに、返り読みをしないで読む
・大きな意味のまとまりで語順通りに速く読む
こういったトレーニングを積むことで、早くかつ正確に 英文を読んでいくことができるようになります。
また 英検準1級のテスト問題は一つ一つの文章が長くて複雑なので、正しい文法をしっかりおさえておくことも欠かせません。
高校生レベルの難しい文法がぎゅっと詰まっているイメージです。下記のような文法は長文問題によく出てくるのでチェックしましょう。
・関係代名詞
・分詞構文
・仮定法
・文の要素(文型)
・不定詞
関係詞や文詞構文があいまいで自信がない人は、一度復習しておくことをおすすめします。
Point⑤言い換え(パラフレーズ)を理解する
試験では、「本文中の表現や主張を正しく言い換えている選択肢を選んてください」という問題が出されます。
ただし、解答の選択肢の中に、問題文の中で使われている単語や表現がそのまま使われることはありません。
同じ意味の文章でも、違う単語や表現が使われています。
もし、本文中に使われている単語や表現と同じものが選択肢の中にあったら、それはトラップだという可能性も高いので気をつけてください 。
ここで何が大切かというと、パラフレーズ(言い換え)力を付けることです。
これも空所補充問題の対策と同じで、日頃から単語を調べるときは類義語も見るなどして、パラフレーズに慣れておき、1つの事柄を様々な言い方で表現できるよう引き出しを増やしておきましょう。
選択問題の設問は2パターン
内容一致選択問題の設問には 2パターンあります。
5W1Hの質問型
例)
What is the reason for ~?
文完成型
例)
The reason for ~ is that 〜
According to the author, people should 〜
〜の中に入る文章はどれですか?といった設問です。
その段落での作者・登場人物の考え・意図・主張を答えさせる問題が多いです。全体の趣旨や結論を問う問題もあるでしょう。
これらの設問のパターンには、学習の段階で慣れておきましょう。
準1級学習のコツ
ここで準1級に合格するための学習方法について、いくつか効果的なコツをご紹介します。
普段から時間を決めて解く
英検はとにかく時間勝負!本番で焦らないためにも、時間管理の練習は日頃からしておきましょう。
①各長文を何分以内で解く、とあらかじめ時間配分を決めておく
②本番同様に時間を測って解く
③解き終わって答え合わせしたら、しっかり復習
試験本番は時間がないので、タイムマネジメントの練習を日頃からしておくと本番で慌てずにすみますよ。
本番はスピーディに、学習は丁寧に
本番では時間がなくスピーディーに問題を解いていかなければなりませんが、 その分普段の学習の時にはしっかりと時間をかけて精読し、スキルを定着させましょう。
・文章構造と意味を正確に理解しながら丁寧に読む
・知らなかった単語は調べてメモ
※英検に出てくる単語は再現性が高いです!
学力が上がる答え合わせのやり方
問題をといたら必ず答え合わせをしますが、その時にただ丸バツをつけて終わりにしていませんか?
・自分が選んだ解答がなぜ不正解だったのかしっかり理解する
・正答できた問題も、正解になる明確な理由は何かまで掘り下げて答え合わせをする
なぜ間違っていたのかだけでなく、正解した問題も、偶然解けたのではなくなぜ正解できたのかまでしっかり説明できるところまで落とし込んでいきましょう。
できなくても落ち込まない
これはオマケですが^^
メンタル面の準備をしておくこともけっこう大切です。
難しいな〜と思う問題があっても、落ち込まなくて大丈夫です。
「自分だけじゃなく、みんなも難しいんだ!」と開き直ってしまいましょう。
どうしても難しくて折れそうなときは、「自分にとって未知のジャンルに触れる良い機会だ」と捉えて、知的好奇心を持って読んでみようという姿勢で臨むと良いですよ!
本番中にテンションが下がってしまうと本来の力も発揮できなくなってしまいます。自分にとってレベルの高い問題にぶち当たってしまったら、難しいのは自分だけじゃない、と前向きに捉えて最後まで突き進みましょう!
まとめ
英検準一級の長文対策について、「空所補充」と「選択問題」の傾向と攻略法を解説してきました。どちらにも共通して言えるのは、文章の要旨を確実に読み取る力を付けること、そして時間管理です。
また準1級や1級は内容がかなり難しいので、学習中に折れそうになることもあるかもしれませんが、難しいのはみんな同じです。壁にぶち当たった時のマインドもあらかじめ設定しておくことで、良い意味で気楽に学習を継続できます。
準一級に向けて着実な力をつけておくことが、この先1級を目指す上での土台にもなりますのでぜひ頑張って欲しいと思います。
本記事が皆さんの学習のお役に立てれば幸いです!
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WRITER この記事を書いている人
MAKI
3ヶ月で必ず目標達成をさせる英語コーチ。オンライン(Zoom)で英語コーチングプログラムを提供。世界でもっとも認知度の高い国際的英語指導資格(ケンブリッジCELTA)を持地、1000人以上の英語指導経験から、お一人お一人にあった英語学習戦略を組み立て、徹底サポート。自身が「英語が話せない」「TOEIC490点」「長い英語コンプレックス」という状態から、ほぼ独学で、TOEIC960点、英検1級、通訳・翻訳をこなすスピーキング力を身につけた逆転の女王(笑)へ!「英語が苦手!嫌い!」という学習者の気持ちが熟知し、1日も早く英語マスターへと導くお助けマンです。
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