ビジネス英語の勉強というと難しく聞こえるかもしれませんが、実はビジネス英語は、中学+αの英文法知識に、あとは、語彙=ビジネス英単語があれば事足りてしまいます。(むしろ、スモールトーク=雑談のほうが難しかったりします。)
とはいえ、語彙すなわちビジネス英単語って、難しそうで・・・と思われるかもしれません。
実は、ビジネス向けの英単語は、ざっくり「ビジネス」と言ってしまうと多岐にわたりますが、自分が業務で使うであろう単単語や表現、自分の仕事の業界に絞っていけば、そう多くはありません。
そこで、自分のビジネスに必要な英語表現を効率よくインプットしつつ、リーディングの練習にもなり、かつ自分の仕事にも役立つ英語勉強法として、アニュアルレポート(IRレポート)を読む、という方法をご紹介します。
アニュアルレポート(IRレポート)とは
アニュアルレポート=”Annual Report”とは、株式上場している企業が発行する資料のひとつで、年度末に世界の株主や投資家、金融機関などに発信する、経営内容に関する報告書です。
アニュアルレポートは、別名、IRレポート(IR=”Investor Relations”、企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信する活動)とも呼ばれます。
アニュアルレポートは、ネット上に公開されており、日本の企業でも、グローバルに展開している企業なら、日本語版だけでなく、英語版も公開されています。
アニュアルレポートは何のための資料でしょうか?
株主やこれから株主になってくれそうな人たちに当社はこんなビジネスをしていて、こんなパフォーマンスを上げていますよと説明する資料です。
アニュアルレポートがビジネス英語の勉強に役立つ理由
アニュアルレポートには、ビジネスで必要な英語が集約されています。
ビジネスのどの業界でも必要な重要単語や表現の宝庫でもあります。
また、事業報告では、その企業が属する業界でよく使われる専門用語が使われています。
IT・技術系の人だったらテクノロジー関連、金融関係の仕事をしている人なら銀行・証券、といったように業界ごとのに必要な情報を英語で効率よく把握することができます。
このように、自分の業務に関連のあるジャンルを選んで読むと、ビジネス一般で必要な語彙や英語表現に加えて、自分の業務に必要な英単語や表現も、効率的に覚えることができます。
一方、アニュアルレポートは、世界中の株主(英語ノンネイティブも視野に入れている)に理解してもらうために、比較的簡単な表現で書かれている場合が多いのです。
文法レベルは、中学英語で十分足りるので、ビジネス英語にフォーカスするのにぴったりの素材なのです。
ビジネス英語上達のためのマニュアルレポート活用手順
英文アニュアルレポートの選び方
一番最初にアニュアルレポートを読むときは、自分の会社のものを選ぶのがおすすめです。
自分の会社でなくとも、同じ業界の競合他社、または取引先といった馴染みのある会社など、自分がよく知ってる会社や興味のある業界などから選ぶのもいいでしょう。
背景などの基礎知識があると理解の助けになります。
また、いきなり英文から入るのがキツイ場合は、まずは日本語のアニュアルレポートにざっと目を通すのもいいでしょう。
アニュアルレポートは、文法的には比較的やさしく書かれていることが多いとはいえ、ページは膨大(数十ページ~百ページに及ぶことも・・・)なので、最初から英語で全部読もうとするとすぐに挫折します。
まずはじめに、アニュアルレポートの主な成り立ちを理解して、必要な情報を効率よく把握するためのポイントをつかみましょう。
英文アニュアルレポートの読み方
アニュアルレポートは、ざっくり整理すると、次の構成になっています。
・Message from CEO/President「代表(社長)からのメッセージ」
・Business Review「事業報告」
・Financial Review 「財務情報」
一番読みやすいのは、アニュアルレポートの最初にある、Message from CEO/President「代表(社長)からのメッセージ」です。
これは、経営者から「株主の皆様へ」というメッセージとして一年の振り返りと今後の展望がまとまっています。
この部分で、アニュアルレポートの大意(要約)をつかめますし、これを読むと経営者の考え方や、ビジネス状況、今後のビジネス戦略など、その企業の特性を理解できます。
実はこの部分は、アニュアルレポートが対象としている投資家にとって、長期投資を考える上で必要となる様々な情報を得ることもできる大事な部分でもあるのです。
Business Review「事業報告」で、業績、経営計画、製品などについて英語でどう表現しているのかという視点で読んでいきます。
自分の会社や、自分の業務のある業界の会社の「事業報告」を読むと、自分の業務で必要とされる語彙や英語表現がよく出てくるはずです。
Financial Review 「財務情報」は、ファイナンスやアカウンティングに関する知識や専門用語を知らないと少し難しいかもしれません。
また、経営企画や経理などの管理部門に携わる人は、財務情報の部分をとくに読み込むと、業務に必要な英語は、ほとんどアニュアルレポートだけで事足りると言っても過言ではありません。
アニュアルレポートは、英語の勘定科目、数値の表現方法、説明文例が豊富に盛り込まれています。
アニュアルレポート活用方法
アニュアルレポートを読むときは、まずは辞書を引かずにざっと読んでいき、わからない単語は意味を類推しながら読んでいきます。
一通り読んだら、頻出する英単語やイディオムなどの意味を調べます。
このとき、自分の業務に必要な単語は書き出しておくことをおススメします。
また、ビジネスライティングが必要な人は、自分のライティングに使えそうな表現も書き出しておいて、自分だけの例文集を作っておくと便利です。
財務や経理、広報、IR担当者で英文レポートを書く必要がある人は、アニュアルレポートで使われている表現を真似する、つまり英借文をするのが効率的です。
日本企業のアニュアルレポートが読めるようになったら、海外企業のアニュアルレポートにチャレンジするのもいいですね!
アニュアルレポートを使った英語学習、こんな本もありました。 ↓↓↓
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WRITER この記事を書いている人
MAKI
3ヶ月で必ず目標達成をさせる英語コーチ。オンライン(Zoom)で英語コーチングプログラムを提供。世界でもっとも認知度の高い国際的英語指導資格(ケンブリッジCELTA)を持地、1000人以上の英語指導経験から、お一人お一人にあった英語学習戦略を組み立て、徹底サポート。自身が「英語が話せない」「TOEIC490点」「長い英語コンプレックス」という状態から、ほぼ独学で、TOEIC960点、英検1級、通訳・翻訳をこなすスピーキング力を身につけた逆転の女王(笑)へ!「英語が苦手!嫌い!」という学習者の気持ちが熟知し、1日も早く英語マスターへと導くお助けマンです。
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