英検準１級に受かりたいと思ったら、ただやみくもに得意分野を伸ばそうとしたり、手当たり次第に語彙問題を解いていても叶いません。

英検という試験に向けて、合格のための合理的な戦略プランが必要です。

あなたは「英検のCSEスコアと素点の関係」をしっかり理解していますか？

・英検を最近受験した人
・何度か落ちていて次こそ受かりたい！と思っている人

そんな皆さんへ、東大卒英語コーチのマッキーが「英検CSEスコア✖️素点の関係」から見る、英検準1級へのテクニカル合格戦略〜東大式ゴール達成思考〜を伝授します。

【CSEスコア＆素点】で科学的に考える最短合格戦略

皆さんは英検の合格に必要なCSEスコアと素点の関係を、しっかり理解しているでしょうか。

こんな勉強をしていませんか？

「とりあえず、英検といえば単語からやらなきゃ！」
「とりあえず過去問解いてみよう！」
「英作文の参考書で解答例を読んでいこう」

こうして問題を解いたり参考書を読んでいれば英語力が上がっていくのではないかと思い、伸ばせる力から伸ばそう、今ある時間で思いついたものからやろう、と突き進む・・。こういった方は非常に多いです。

これって一見積極的に取り組んでいるようにも見えますが、このようなやみくもな頑張り方では回り道になってしまいます。

当たり前ですが、英検は試験です。
試験に合格するためには戦略が必要です。

その戦略とは、

今のあなたの現在地と目的地（＝合格スコア）とのギャップを埋めるもの！

そのギャップを効率よく埋めるために、学習タスクを洗い出してひとつひとつ潰していくのはもちろんなのですが、その前に知っておいて欲しいことがあります。それは、

「素点とCSEスコアの関係」

です。

素点とは、リーディングや リスニングの正答数 、そしてライティングにおける点数そのもののことです。 

特に、

・英検を最近受験した人
・何度か落ちていて次こそ受かりたい！という人

当てはまる人は、本記事を読んだ後に、ご自身の成績表である受験結果を見て今すぐ分析してください。

社会人の皆さんは、英検対策の学習のためにたっぷりと時間をさくことは難しいと思います。効率よくポイントを押さえてグンと点数が上がるポイントを知って、戦略的に学習をするべきではないでしょうか。

本記事を最後までご覧いただければ、素点とCSEスコアの関係がわかり、それをもとにした合格戦略を立てることができます。

それによって、

①英検準1級合格に向けて、最優先でやるべきことがわかり、
②合格に最短距離で行ける学習の道筋が立てられます。

もっというと、現在準１級を目指している人は、ゆくゆくは１級を受けたいと思っている人も多いでしょう。

先々の１級を見据えた上で、現在どういう学習を積み重ねていくべきなのかについても詳しくお伝えしていきます。

賢く、科学的に、英検の対策をしていきましょう！

CSEスコアとは

英検ではどの級でもCSEスコアで合否が決まります。英検合格の大前提であるCSEスコアとは、

CSE＝Common Scale for English　の頭文字をとったものです。

日本語にすると『英語のための共通尺度』という意味で、英検が新形式としてリニューアルされた2016年度から導入されました。

CSEスコアが導入されたことにより、

・総合的な英語力
・リーディング
・リスニング
・ライティング
・スピーキング

これらの能力を絶対指標で知ることが可能になりました。

各技能ごとにCSEスコアが算出されることにより、それに基づいて、国際標準規格CEFR（セファール＝国際的な英語レベル）も表示されるようになりました。

そして各技能ごとにCSEスコア・CEFRが表示されることによって、英検のどの級を受けても、技能ごとの自分のレベルが大まかにわかるようになったのです。

具体例を見てみましょう。準1級を受けた人が下記の評価だったとします。

例）準１級を受験：CEFRではB2レベル

①ライティング：750に近いCSEスコア／CEFRはC1レベル
→準１級を受験したが、ライティングは1級レベルである

②リスニング：600以下のCSEスコア／CEFRはB1レベル
→準１級を受験したが、ライティングは２級レベルである

このように、各技能で自分の現在のレベルを詳しく知ることができます。

このCSEスコアで合否が判定されますが、各技能（３科目）ごとのCSEスコアを足して一次試験の合格スコア基準点を超えていたら合格！となります。

各級で、CSEスコアの満点・合格スコアは決まっています。

英検準1級の1次試験は、

・リーディング
・ライティング
・リスニング

の3技能で構成され、CSEスコアが各750点満点、合計で2250点満点です。
これに対し合格スコアは1792点で、これを超えれば合格、下回れば不合格です。
３技能で割ると、各技能597点取れれば合格、下回れば不合格ということになります。

＜英検準１級１次試験の配点＞ 各技能750点750点×3技能（リーディング・ライティング・リスニング）＝2250点満点合格スコア：1792点 ※各技能、597点取ればOK

各技能597点を合格の最低ラインとした時に、自分の現在のスコアからどのくらい点数を伸ばしていかなければならないのか、ギャップが見えてきます。そのギャップを把握することが第一段階です。

ちなみに、二次試験は512点が最低点になります。二次試験の方が一次試験よりも若干やさしめの採点です。

CSEスコアは受験回により変動する

英検準1級の場合1次試験の合格点は1792点で、この合格点は変動しません。一方でCSEスコアは素点（正解した数）によって決まりますが、このCSEスコアは受験する回によって変動します。

CSEスコアは問題の難しさや受験者全体の出来具合によって毎回変動する、偏差値のようなものです。

偏差値も、何点取れば偏差値はいくつ、と決まっているわけではありませんよね。受験する人のレベルが全体的に高ければ偏差値は低く出やすかったりと、受ける人のレベルや問題の難易度によっても上下します。CSEスコアもそれと同じような感じです。

準１級合格に必要なCSEスコアと素点の関係

CSEスコアについては、各技能597点を目指せば良いということは分かったと思います。でも、皆さんがいちばん気になるのは…

「何問正解すれば、合格に必要な597点が取れるの？」ということだと思います。

ここで2024年度第１回の「素点とCSEスコア換算表」を見てみましょう。

＜英検準１級／素点とCSEスコアの換算表＞

（※私の受講生さんが作成してくださった表です。WEB上の情報や、素点とスコアを換算できるシステムを参考に算出したもので、100％ 正しいデータではありません）

この換算表は回によって変わるので、毎回この数字というわけではありません。あくまでも参考として見てください。

この「CSEスコアと素点の換算表」を見て何がわかるかというと、

・自分自身が合格ライン（CSE：1792点）に到達するために、各技能であと何問正解する必要があるのか
・ライティングなら何点上げなければならないのか

が、わかります。

CSEスコアのみだと漠然として分かりにくいのですが、この換算表と照らし合わせることで、あと何点取れば良いか、あと難問解ければ良いのかがより具体的に見えてきます。

表を見ると気づくと思いますが、各技能で問題数が違うので、素点1点あたりの重みが技能ごとに違ってくるのです。

素点で見るときは、

・技能ごとに合格レベルに達しているのか？
・合格レベルに達するには、あと何点必要か？

を見ていく必要があります。

これが、目指すゴールと現在の自分とのギャップを把握することにつながり、リベンジ合格への出発点となるわけです。

準１級合格レベルに必要な素点目安
リーディング	20点 / 31点（正解数）
リスニング	17 点/ 29点（正解数）
ライティング	22点 / 32点
※各技能、CSEスコア597点が合格ライン

だいたいの目安ではありますが、上記の表からも、各技能20点は取れれば大丈夫というイメージです。

「各技能20点✖️３＝合計60点」を目指すイメージで、まんべんなくスキルを底上げしていくのが良いでしょう。

準１級の素点UP対策

３技能全てにおいて合格点レベルに持っていくのは難しいと思います。誰しも得意・不得意が必ずあるからです。

では得意分野を伸ばして苦手をカバーすれば良いのか？というと、答えはYesでありNoです。

正しい努力のしかたとして、

・３技能全てを合格レベルに引き上げつつ、
・得意分野でさらに点数の上乗せ＝余裕の合格を目指すこと、

を目標にしてほしいのです。

準１級は９割のスコアを目標に

得意分野の技能で点数貯金をして、苦手分野を補い合格に届かせるという方法も悪くはありません。

ただしそのやり方ではいつか１級を受験するときに苦手分野が足を引っ張ってしまい、辛い戦いになってしまうでしょう。長い目で見ると得策ではありません。

現在準１級を目指している人は、ゆくゆくは１級に合格することが最終目標という人が多いと思います。

いつか１級を受けることを見据えたときに、準１級の段階では「３技能全て合格点を上回ること」を目標にしてほしいです。その上でさらに「得意分野で貯金」しながらできるだけ余裕を持った合格を目指しましょう。

＜準１級の合格目標＞ ・600 点を下回らない ・理想は９割のスコアを取ること。

厳しいと感じるかもしれませんが、この目標を達成できると、次に１級合格へと勉強を継続していくときに、無理なく波に乗れます。

ライティングで「スコアを貯金」する

４技能満遍なく得点できるようにしましょうとはいえ、やはり特定の技能で得点を貯金する必要があるのであればライティングで貯金するのが最もおすすめです。

実はライティングは最も得点を伸ばしやすく、その分、必ず時間を割いて対策をした方が良いです。逆にライティング対策をしっかりやらないと、致命的なほど点数が低いラインに留まってしまう可能性が高いです。

ライティングは、然るべき対策をすれば32点中25点あたりまで伸ばすことが可能です。意見論述やエッセイでは９割得点も狙えます。私が開講している「英検一発合格塾」の塾生さんも、準１級のライティングで満点を出す方は少なくありません。

ライティングは８割近く取れれば27点（＝700点）越えます。

リスニングやリーディングでこの得点は難しいのですが、ライティングでは現実的に狙える部分です。

要約問題で手こずる可能性はありますが、エッセイ・意見論述はしっかり対策をすれば満点近く取れるようになるので、ぜひとも頑張ってほしいところです。

ライティングでしっかり貯金を作っていくことが私のおすすめの戦略である所以です。

リスニングにおける「１点」の重み

各技能によって、点数帯によっても1点あたりの重みが違います。特にリスニング1問あたりの重みがかなり大きいです。

特に１級になると、リスニングの１点あたりのCSEスコアの変動幅はさらに大きくなりますので、リスニングに強い人にはかなり有利になってきます。

リスニングの問題形式は準１級と１級でほぼ同じですので、このことを頭の片隅に置いて学習すると先々にも繋がっていきます。

リスニングが好きな人、得意な人は700近く取ることを目標に頑張りましょう。

語彙は読解＆リスニングと「セットで対策」する

暗記が得意で、「語彙をどんどん覚えたい、単語学習は苦じゃない」という人もいると思います。もちろん、語彙対策をしっかりやっていくのは良いことなのですが、

「まずは単語をしっかり固めてから次の学習へ進む」というやり方ならば見直したほうが良いです。

語彙対策ばかりやっていても、長文やリスニングのところで点数が取れないと、結局総合点で合格ラインに達しません。

どの技能もバランス良く伸びるように学習を工夫しながら、得意を伸ばしていくというのがおすすめです。

例えば語彙対策であれば、単語本をひたすらやりまくるのではなく、

・単語本に付属の音源を聴いてリスニング力も同時に鍛える
・英作文で使えそうなものは、例文を作るところまでやってみる
・長文を読みながら知らない単語に出会ったら調べて覚える

このように、リスニング力や読解力を上げていく中で単語も一緒 に（セットで）覚えていくというのがおすすめです。

そうすることで単なる語彙の学習にとどまらず、複数分野の能力アップにつながります。

特に読解力は、リスニングのPart2やライティングの要約問題にも関わってくる部分であり、英語力の基礎になります。長文は読めるようにしておいた方が良いですし、ゆくゆくは１級を受ける際にもこの読解力が肝になります。

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こうして、どの技能もできる限り満遍なく合格レベルに近づけつつ、得意の技能で貯金を作りながら合格への学習を設計していきましょう！一見大変で遠回りに見えても、これが最も効果的に合格へ近づくやり方です。

もし、一人ではなかなか学習の要領が掴めない、独学では限界がある、と思う方はプロを頼って見るのも手です。

私の「大人の英検一発合格塾」ではたくさんの社会人や主婦の方が日々挑戦し、合格を掴み取っています。

まとめ

英検準１級合格に必要な「CSEスコア✖️素点の関係」を分析した学習戦略をお伝えしました。

＜準１級合格レベル必須素点＞

CSEスコア  各技能597点 ◆リーディング：20点（正解数） ◆リスニング    ：17点（正解数） ◆ライティング ：22点 ※各技能20点ずつ、計60点が理想

ただ漠然と「得意を伸ばそう」「苦手を潰そう」「単語を覚えよう」ではなく、自分の現在地と合格点までのギャップを数字で把握し、そこから逆算して戦略的に学習を進めていくことが最短ルートになります。

前回の試験結果を見て今から学習戦略を立て、次こそ合格をつかみとりましょう！そしていつか１級を受けることを見据えて、スキルの土台を揺るぎなく固めていきましょう。

本記事は動画でも詳しく解説しています。併せてご覧ください🎵
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