2024年度から英検問題がリニューアルされました。2級・準2級・1級に要約問題が追加されて、 対策に悩んでいる学習者さんは多いです。
しかし2級から要約問題にチャレンジするあなたはとても ラッキーです!なぜなら準1級や 1級から要約対策をしようとすると問題がとても難しいからです。
2級の段階からしっかりと要約の基礎を身につけておけば、高いスコアが取れるようになるだけでなくこの先準1級、1級へと進んでいくための土台作りになります。
そこで、
・要約とは、そもそもなんなのか?
・どういうことに気をつけて要約文を作ったら良いのか?
・要約力を身につけるために何をすれば良いのか?
ポイントをわかりやすく解説します!
要約とは
そもそも要約とはなんでしょうか。
まずはここをしっかり把握しましょう。
要約とは、
・要点をとりまとめること
・内容はそのままに文を短くして伝えること
です。
筆者の伝えたいことを、その文章を読んでいない人にもわかるように
「要するにこういうことなんだよ」
「この文章はこんな話なんだよ」
と大事なポイントを余すところなくおさえて伝えてあげることです。
2級の要約問題は、
・150文字程度の英文を、
・約50文字前後の文字数で要約する
このようになっています。
実は要約問題はそんなに難しく考える必要はなく、従来のライティングの自由英作文(意見論述)に比べると、コツさえつかめば点数を取りやすいです。
そこで、要約問題攻略のために必要な2つのスキルをご紹介します。
英検新形式についての詳細はこちらをご参考にどうぞ
↓↓↓
要約に必要なスキル①読解力
文章を要約するには読解力が必要です。
ただ、読解力と言っても、
・長文がスラスラ読める
・文の意味が正確に理解できる
というのはもちろんのことですが、それだけでは足りません。
話の全体を見渡せるパラグラフ・リーディングが必要です。
「全体のテーマは何の話であるのか?」
を踏まえながら、
「各段落(パラグラフ)のポイントは何か?」
をしっかりおさえた読解力がいります。
段落と段落の繋がりを読み取り、どんな流れで話が展開しているのか?
結局、筆者が言いたいことは何なのか?を正確に読み取れるようになりましょう。
「木を見て森を見ず」の読み方ではダメです。
木・・・文章の中の細かい枝葉
森・・・文章全体
と捉えたときに、木、つまり文章の細部を事細かに訳すのではなく、森、つまり文章全体の論点を端的に説明できるような読み方が必須なのです。
木を見つつ、森を見る読み方が大事と覚えておきましょう。
要約に必要な力②ライティング力
読解力の次に必要なのは、要約した文章を英語でわかりやすく伝えるライティング力です。
ここで必要なのは、抽象度を上げる書き方をすることです。
要約文は短く簡潔にまとめる必要があるため、ただ具体的な事柄を書き連ねるだけでは要約になりません。具体的な事柄をひとまとめにし、抽象度を上て説明する力が必要です。
身近な例をあげながら、【具体】と【抽象】について簡単に説明していきます。
まず、
「具体」というのは
”具体的に目に見えるもの”
”絵が浮かぶもの”
です。
それに対し、
「抽象」とは、形があるものを
”つまりこういうこと”
と、ひとまとめに表現したものです。
例をあげて説明していきます。
【具体】の例:水・牛乳・コーヒー・紅茶・ビール・・・
これら個々の具体を抽象度を上て表現すると、
「飲み物」
となります。
この「飲み物」という表現が【抽象】です。
こうして文章の中の具体的な事柄を「要するにこういうこと」と抽象化することで、文章を短くまとめることができます。
次に例文で見てみましょう。
要約例文)
①スマホでは、漢字や計算や英会話を学べるアプリがある
②子供たちは、スマホで友達と連絡を取って宿題を教えあったりできる
③スマホを通して、ITの仕組みや活用方法を学べる
この①〜③の3つの具体的な文章を、抽象度をあげて要約すると、
「スマホは子供の教育に役立つ」
このように簡潔にまとめることができます。
「つまり〜」
「要するに〜」
と、端的にまとめて表現することが【要約】です。
ここで大切なのは、問題文の中に使われている言葉を「そのまま抜き出す」のではなく
「自分の言葉で書くこと」
です。
英検2級の問題文には”in your own words as far as possible in English(できる限り自分の言葉で英語で書いてください)”としっかり指定されています。
文章に使われているそのままの言葉で書いてしまうと文字数を縮めることができず、要約文として成り立ちません。 しっかりと要約して短くまとめるためにも、自分の言葉で伝えていくという力が必要になります。
ではどのようにして「自分の言葉で伝える」ことができるのか?
このあと要約力の鍛え方の章でしっかり解説していきます。
その前に、要約問題はどのような配点基準に沿って採点されるのかをお伝えしたいと思います。この採点ポイントに沿った要約を心がけることが、論点のズレていない確実な要約ができるポイントにもなります。
要約問題の採点ポイントは4つ
要約文はどのような基準で採点されるのでしょうか。
採点ポイント①内容(4点)
最も重要なのは、「要約になっているかどうか」です。
要約文なので当たり前のことなのですが、ここがしっかりできていることを意識しましょう。
・要約になっているか?
・きちんと余すとこなくポイントを伝えているか?
を、意識しながら書きましょう。
部分的に抜き出した単語をただつぎはぎしただけになっていないか、よく注意してください。
回答がちゃんと要約になっていないと判断された場合は、0点と採点されることがあります。
問題文の中から適当に単語をピックアップして並べても、きちんと「要約」になっていなければ、たとえ正確な文法で書かれていても点数は取れません。
必要なポイントをしっかり入れて作文しましょう。
採点ポイント②構成 (4点)
要約文の構成も採点基準になります。
・問題文の全体構成に沿っているか?
・ディスコースマーカーを使って話の流れを作っているか?
ディスコースマーカーとは、つなぎ・接続表現のことで、
however(しかし)
therefore(よって)
as a result(結果として)
などがあります。
接続表現をしっかり使いながら論理的な構成の要約文になっていることが好ましいです。
採点ポイント③語彙(4点)
要約文は、語彙力も求められます。
・内容に相応しい英単語が使われているか
・自分の言葉で書いているか
ここを意識して書きましょう。
抜き出した単語をそのまま使用するのではなく、しっかりパラフレーズ(言い換え)して書くことが大事です。
自分の言葉で説明できるということは、文章の内容をしっかり噛み砕いて理解できているということです。
語彙レベルとしても、2 級〜準1級レベルの単語や語彙を使って作文できることが望ましいです。
もちろん、要約の中に一部、原文のフレーズを使うこと自体は問題ありません。重要なのは、読んだ内容を正確に把握し、重要な点を正しく伝えることです。
採点ポイント④文法 (4点)
要約文が正しい文法で書かれているかどうかも採点基準となります。
・正しい英文法、語順で書かれているか?
・わかりやすく伝わる文章になっているか?
正しい英文法であることはもちろん大事ですが、極力シンプルに分かりやすく書くようにしましょう。
難しい言い回しをしようと思わずに、中学校で学んだ単語や英文法で書けば OK です !
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このように、「内容」「構成」「語彙」「文法」の4項目がそれぞれ4点ずつで、合計 16点で採点されます。
これは従来の英作文(意見論述)と同じ配点です。つまり、この要約文は今までの英作文と同じぐらい重要視されているということです。
とはいえ今までの英作文に比べると、ちゃんと 要領を抑えれば格段に書きやすいはずです 。是非この要約問題を得意分野にしてほしいと思います 。
採点ポイントの注意点
「内容」「構成」「語彙」「文法」4つのポイントに沿って書くことの重要さをお伝えしてきましたが、中でも最も大事なのはやはり内容です 。
2級の要約問題には、「解答が英文の要約になっていないと判断された場合は、0点と採点されることがあります」という注意があります。
関係のない内容や、ただ問題文の中から抜き出しただけではほぼ点数が取れないと思った方が良いです。
・ちゃんと要約になっているか?
・話のポイントを伝えられているか?
・抜き出した単語や語彙をつぎはぎしているだけになっていないか?
ここをしっかり意識して取り組み、得点に繋げていきましょう。
要約力の鍛え方
要約力を養うために、日頃からどのような学習をしたら良いかのヒントをお伝えします。
要約のための特別な勉強はいらない
いきなり逆説的な結論になりますが、要約文対策のために何か特別な学習をするという必要は実はありません。
要約問題に出てくる文章は社会的・科学的なトピックが多いので、そういった内容の長文を習慣的に読むことはもちろん好ましいです。
とはいえ特別な本を用意しなくても、日頃使っている英検の問題集でじゅうぶんです。長文やリーディング問題などの勉強をするときに、ついでに要約もしてみましょう。
その際に、問題文全文を要約する必要はなく、要約しやすそうな文章を見つけたら ピックアップして要約してみる、くらいの感じでOKです。
はじめは1週間に1回でも良いので、頻度を決めて取り組んでみましょう。
パラグラフリーディングをしながら読む
要約の練習をする時はパラグラフリーディングを意識しながら読むことが ポイントです。
・ この長文は何の話なのだろう?
・ テーマは 何だろう?
・ 各段落のポイントを一文で説明すると?
・ 全体を通して言いたいことは?
こういったポイントを意識しながら読んでいくことで要約力に直結していきます 。
長文問題をまずは日本語で説明してみる。
要約するときに、まずは日本語で説明できることが大事です。
・この文章は〇〇についての話だ
・1段落めで言いたいことは〇〇
・2段落めで言いたいことは〇〇
このように日本語で、そしてできれば 口に出して説明してみましょう。そしてそれを英語で書いてみるのです 。まずは日本語でしっかり説明できれば、それを英語にしていくことも容易になります。
ここで「口に出して説明してみる」というのがポイントで、声に出して説明できるということは、しっかり理解ができているという証拠です。
1つ前の級の長文で要約の練習をしてみる
要約文の練習は1つ前の級の文章で練習するのがおすすめです。2級を目指している人であれば準2級の長文を使って練習してみましょう。
準2級を受けたことがある人なら、かつて使っていたテキストで練習しても良いですし、 持っていない人は英検協会のホームページから過去問をダウンロードしてやってみましょう。
要約練習をするのに適している問題は
・空所補充問題の後半のB問題
・内容一致問題のB問題
この辺りでやってみると良いでしょう。
1つ前の級の長文を読むことは非常に効果的です。
前の級の内容がしっかり身についているかどうかのおさらいにもなりますし、準2級〜2級へと学習内容は繋がっているので、すでに合格している級であってもやっておくと基礎の強化にもなります。
もちろん、2級の問題を使って要約練習をしてもOK です。
その場合は、2級の問題の中でも 比較的易しめの文章(空所補充問題など)でやってみることをおすすめします。
要約力は、読解力に直結していきます。今後、準1級や1級を目指していくための土台を今のうちにしっかり作っておきましょう。
リスニング問題Part2で要約練習をしてみよう
リスニング問題パート2の英文も、要約の練習に適しているのでおすすめです。リスニング学習のついでにぜひやってみてください。
きちんとした要約を書くまではいかなくとも、リスニングで聞いたりスクリプトを読んで内容を理解した後に、日本語で簡単に要約してみましょう。
余力があれば日本語で要約した後は、それを英文にするところまでやってみましょう。
ライティング力の伸ばし方
これまで要約力を磨く方法について解説してきました。要約ができるようになったら次に必要なのはライティング力。ここでは書く力を身につける方法を解説していきます。
パラフレーズ力を身につける!
要約文を書くときは、言い換え可能なものは極力パラフレーズ(言い換え)して書きましょう。
そのためには、
英単語を覚える際に、「類義語」も一緒に見るクセをつけるのがおすすめです。
類義語を暗記までする必要はありませんが、日頃から類義語まで調べることで
「この単語はこういう表現もできるのだな」という気づきがあったり、また
「この単語は覚えておくと使えそうだな」という視点を持って触れておくと引き出しが増えます。
効果がありますのでぜひやってみてください。
要約で押さえておきたい英文法
要約文を書くために役にたつ文法もおさらいしておきましょう。
例えば以下のような文法が使えます。
・関係代名詞、関係副詞
・to不定詞
・接続詞、 前置詞
<関係代名詞、関係副詞、to不定詞>
これらは文章を短くするのに役立ちます 。使いこなせるようにしておきましょう 。
<接続詞、 前置詞 >
接続詞や 前置詞も、 英作文に欠かせません。
例)
・By~ing:〜することによって
・ Because of ~/Do to :〜のせいで
・ however/Althogh S+V:
・On the other hands,:その一方で、
この辺りの言い回しも使いこなせるようにしておきましょう。英検2級の新形式では、要約問題が追加された一方で文法問題は削られました 。
だからと言って文法の対策をしなくて良いかというとそうではありません。
英検2級の英文法は高校生レベルに相当します。文法の知識は、英語を読むにも書くにも必要なスキルです。 文法問題が削られたからと言っておろそかにせず、しっかり復習しておいてくださいね。
要約練習はとにかく書くに限る!
ライティングは、とにかくまずは書くことです。やはり、実際に書いてみることが一番の勉強になります。
このときに、
問題文の1/3くらいの長さに縮めて書く
ことがポイントです。
書いたらChatGPTに添削してもらう
自分の書いた要約文がこれで良いのかわからないというときは、 ChatGPTに要約のサンプルを作ってもらうのもおすすめです。
元の英文をChatGPTに入力して
「 2級 レベルで○○文字前後で要約文を作ってください」
とお願いして 模範解答を作ってもらい、自分が作った要約文と見比べてみるのも良い練習になるでしょう。
ChatGPTを英語学習に活かす方法はこちら
↓↓↓
https://e-lifework.com/chatgpt-4o/
TEAPのライティング問題にチャレンジしてみる
TEAPの問題にチャレンジしてみるのもおすすめです。
TEAPとは、英検協会が大学入試のために作っている試験で、ライティング問題の中に、1問要約問題も入っています。
英検2級〜準1級くらいのレベル感で、英検の要約問題に比較的近いものがあるのでおすすめです。
良い練習になりますのでぜひやってみてください 。
要約力=読解力に直結!
要約力を付けることを意識した学習には、単純に英検の試験対策だけでなく様々なメリットがあります。
・パラグラフリーディングの読み方をマスターすること
・ポイント、要点を意識しながら読む力
要約対策を通じて、これらの力をぜひ身につけて欲しいと思います。
これができることによって長文の読解力が上がります。
2級の対策をしている今のうちから要約問題を得意科目にしておけば、この先の準1級、1級へと進んでいく上でも心強い土台となります。
ぜひ前向きに取り組んで欲しいと思います!
まとめ
英検2級は、要約問題が取り入れられる最初の級。
ここでしっかり対策をして要約力を身につけておけば、この先 準一級・ 1級へと目指していくための土台作りにもなります。
・日々使っている英検学習の教材で要約の練習を取り入れること
・内容、構成、語彙、文法に気をつけながらパラグラフリーディングの習慣を付けること
がカギです。
要約力は長文読解力にも直結していますし、 ひいては「英語力全体の底上げ」にもなります。 本記事で紹介したコツをつかめば 必ずできるようになりますので、 恐れずに チャレンジしてくださいね!
本記事が皆さんの英語学習のお役に立てたら幸いです。
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MAKI
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