「英単語を暗記するのが苦手・・・」
「英単語を効率的に暗記するコツとかってないですか??」
・・・とは、よくご相談をいただく英語学習者さんのお悩みの一つです。
英単語を覚えるコツにも色々ありますが、
「英単語がなかなか覚えられない~!」という方に、英単語を覚えるコツの一つとしてご紹介したいのが、
語源で英単語を覚える
というもの。
この内容を実践していただくことによって、
「単語がなかなか覚えられない~!覚えたそばから忘れちゃう!!」って凹んでいたクライアントさんが、1ヶ月で2000語ぐらいをサクッとを覚えられました。
決して特殊な難しい方法ではありません。
読むだけで、英語初心者の方でも中級者の方でも実践して頂ける方法です。
今日は当時に実践した方法を細かくステップにわけて、すぐに実践して頂けるようにまとめたものをご紹介させて頂きます。
英語は関連付けて覚えると覚えやすいので、私は普段は、例文やフレーズの中で単語や覚えることをおすすめしていますが、
こういう「関連付けて覚える」という点で、語源で英単語を覚えるというのも非常に効果的な単語習得方法の一つです。
英単語の語源とは
「語源」とは、日本語の漢字でいう、偏(へん)・旁(つくり)・冠などの「部首」にあたるものです。
漢字は、偏・旁(つくり)・冠といったパーツ、つまり部首で出来ていますよね。
そして、それぞれの部首には意味があります。
草冠(くさかんむり)のつく漢字は「花」や「葉」など「植物」に関する意味を持ちますよね。
さんずいのある漢字は水に関係するもの、にんべんは「人」に関係するもの・・・など、漢字において部首はそれぞれの意味とともに漢字を構成する重要なパーツであり要素です。
この漢字の部首に相当するものが、英単語にもあり、それが今回お伝えする英単語の「語源」です。
英単語の「語源」は、「接頭語」、「語根」、「接尾語」の3種類に分解されます。
読んで字のごとく、「接頭語」は単語の先頭に来るもの、「語幹」は真ん中に来るもの、「接尾語」は末尾に来るものです。
そして、たいていの英単語は、「接頭語」+「語幹」+「接尾語」で構成されています。
例えば、“attraction” という単語だと
at(「~の方へ」という意味の接頭語)
+tract(「引く」という意味の語幹)
+tion(名詞をつくる接尾語)
という形で、「接頭語」+「語根」+「接尾語」で構成されています。
語源で英単語を覚える方法
先ほども私たちの身近な例として挙げた、日本語の漢字。
この漢字を覚えるとき、私たちは部首を手掛かりにして覚えてきたのではないかと思います。
海だったら、「さんずい」+「毎」
休だったら、「にんべん」+「木」
など・・・。
しかも、「休」という漢字は、「人が木にもたれている」イメージ ⇒「やすむ」
という風に、パーツと意味がリンクしています。
また、
「林」は「木」が2つで「木」がたくさんある場所
「森」は「木」が3つで、「林」よりもっとたくさん「木」がある ⇒木がたくさんある広い場所
という風にイメージすると、楽しく覚えられるし、漢字と意味がイメージでリンクしてずっと記憶に残りやすいですよね?
英語も漢字の成り立ちと似ていて、英単語のパーツ(=語源)と意味がリンクして成り立っているんです。
実は、私たち日本人が小学校で「へん」や「つくり」で漢字の意味を推測する方法を習うのと全く同じように、英語圏の初等教育でも、英単語を語源(接頭語+語幹+接尾語)に分解して理解して語彙力を伸ばしていく方法を学ぶのだそうです。
先ほどのattractionの例で再び考えると、
attraction
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
at(「~の方へ」という意味の接頭語)+tract(「引く」という意味の語根)+tion(名詞をつくる接尾語)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
attraction ⇒引き付けること(もの)、魅力
となるわけです。
「語源で単語を覚える」とは、ざっくり言うと、「英単語を細かいパーツ(語源)に分解し、それぞれのパーツ(語源)の意味を組み立て、その単語の意味を推測・イメージしながらインプットする」ということです。
私たち日本人が、漢字を部首をもとに覚えたり意味を推測するのと似ていませんか?
語源で英単語を覚えるメリット
語源で英単語を覚えることは英単語を効率的に覚えるコツの一つですが、それも含めて、語源で英単語を覚えることの3つのメリットをご紹介します。
英単語の暗記が楽になる
実は、英単語は、ひたすら書いたりするよりも、何かに関連付けて覚えるほうがより効率的に覚えられるし、記憶に定着しやすいのです。
これは、英単語の暗記に限らないのですが、われわれは情報をインプットし記憶するときには、関連付けが効率的かつ効果的なんです。
英単語においても、「接頭語」、「語幹」、「接尾語」という語源の知識を活用することで、体系的・合理的に語彙を習得することができます。
たとえば漢字の話に戻しますが、私たちも「さんずい」は水に関係がある、「さかなへん」は魚の種類を表すものという知識が全くなく、漢字を一つひとつ覚えなければいけなかったとしたら、どうでしょう?
覚えにくいし、記憶に定着させるのにものすごく時間がかかるような気がしません??
英単語も同じです。
例えば、subwayという単語は、
subway ⇒ sub「下に」+ way「道・手段」
⇒「下を通っている道・手段」⇒「地下道・地下鉄」
と考えると、「あ~!なるほど~!」と理屈やイメージからあっさり覚えられそうな気がしませんか?
こうした語源による英単語の習得法、一見、遠回りに思われる学習法かもしれませんが、語源の力によって1万語レベルの語彙が身につくことがすでに語源研究によって実証されているそうです。
パズルを解くような面白さもあり、英単語のインプットが少しは楽しく・・・とまでいかなくとも、多少は楽になるのではないでしょうか?
一度覚えた単語が確実に記憶に定着する
英単語を暗記するとき、多くの人が英単語と日本語訳のセットで覚えていくと思います。
しかし、英単語+日本語のセットで丸暗記するのは一見効率がよく思えますが、時間がたつと、英単語を見て「あ~、これ見たことがあるなぁ」と思っても、日本語訳が出てこない・・・ということ、ありませんか?
また、「単語を覚えたそばから忘れていく・・・」というのも、英語学習者さんからよく聞くお悩みです。
英単語は、数回やそこら見て暗記しただけで使わないでいると、英単語もその意味も、長い時間の経過とともに忘れていくというのは自然な流れです。
そうした場合にも、語源を手掛かりに推測することによって、英単語を見たときにすぐには日本語の意味が出てこなくても、別のルート(語源⇒イメージや意味の類推)から英単語の意味を記憶の引き出しからひっぱってくることが可能になるのです。
こうした意味で、語源を通してイメージで覚えた単語は、手がかりがある分記憶に残りやすいと言えます。
はじめて出会った単語でも語源から意味を類推することが出来る
英文を読んでいて、初めて出会う単語でも語源に分解すれば、正確でなはくともイメージとして近い意味を類推しやすいのです。
語源をもとに英単語の意味を類推するのは、漢字の部首を手掛かりに漢字の意味をイメージするのに似ています。
例えば、「さかなへん」の漢字は、その漢字が読めなくても、初めて見た漢字でも「とりあえず、何かの魚の話をしてるんだな・・・」と文字だけで推測することができます。
例を挙げましょう。
projection, rejection, injection, eject, …これらの単語の意味、パッと出てきますか?
この中で、”projection”ぐらいは、聞いたことがある、とか意味がわかると言う人も少なからずおられるのではないでしょうか?
イベントやアミューズメントパークでお馴染みの「プロジェクション・マッピング」ってありますね?
“projection”は「投影」という意味です。
projection ⇒ 語源:pro「前に」+ject「投げる」+ion(名詞をつくるもの)
⇒意味:映し出すこと、投影
です。
ここで、ject「投げる」というイメージを知っていれば、
rejection ⇒ re「後ろに」+ject「投げる」+ion(名詞をつくるもの)
⇒意味:拒絶、拒絶すること
injection ⇒in「中に」+ject「投げる」+ion(名詞をつくるもの)
⇒意味:投入、注射
eject ⇒e(ex)「外に」+ject「投げる」
⇒意味:排出する
といったように、派生して覚えたり、すでに知っている英単語の知識から意味やイメージを導き出すことができるんです。
「語源で英単語を覚える」ことの意義と注意点
英単語は、私たちが想像する以上に、いわば無数に存在します。
極端な話、単語をすべて覚えることは不可能です。
単語を片っ端から暗記しようとするより、知らない単語を要素分解して、ざっくりとして意味を類推できる力をつけるほうがより現実的ではないでしょうか?
とくに、「私は生まれつき記憶力が悪い」とか「年をとって覚えられない」と言い訳(笑)している人には、語源をもとに英単語を覚えていく方法が合っているかもしれません。
ただし、語源と意味がリンクしない英単語も少なからず存在するので、注意が必要です。
私の考えとしては、語源は必ずしも学ばなければならないものではなく、語彙学習に楽しみを加えるエッセンスのつもりで取り入れてみるといいと思うんです。
私のあるクライアントさんで
「似たような英単語が何度やっても覚えられない・・・」
とおっしゃっる方には、以下の本を参考程度にちょっと読んでみたら?とお勧めしています。
語源について学べるおすすめの本
「もっとも効率的な英単語の覚え方は、語源学習である」と断言し、語源で英単語を覚えるための参考書を数多く執筆されながら、約40年間英語を指導してされているのが、清水 建二さん。その最新版が『英単語の語源図鑑』です。
イラストが多用されていてわかりやすく、親しみやすい構成で工夫されています。
重要単語を語源に沿って分解し、語源の知識と語彙をイラストを見ながら身につけていけるようになっています。
語源で英単語を覚える〈まとめ〉
いかがでしたか?
英単語を覚えるコツはいくつかありますが、語源で英単語を覚えるというのも上記のメリットがあり、おすすめです。
ただし、全ての語源を覚える必要がなく、頻出のものから少しづつ知識として身につけるのがいいでしょう。
上記の本も、もしすでに自分で「これ!」と決めた単語集があるならそれをメインにしつつ、上記の本は「読み物」として楽しく気分転換のつもりで読んでみても、新たな発見があると思いますよ。
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WRITER この記事を書いている人
MAKI
3ヶ月で必ず目標達成をさせる英語コーチ。オンライン(Zoom)で英語コーチングプログラムを提供。世界でもっとも認知度の高い国際的英語指導資格(ケンブリッジCELTA)を持地、1000人以上の英語指導経験から、お一人お一人にあった英語学習戦略を組み立て、徹底サポート。自身が「英語が話せない」「TOEIC490点」「長い英語コンプレックス」という状態から、ほぼ独学で、TOEIC960点、英検1級、通訳・翻訳をこなすスピーキング力を身につけた逆転の女王(笑)へ!「英語が苦手!嫌い!」という学習者の気持ちが熟知し、1日も早く英語マスターへと導くお助けマンです。
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