中学の時に誰もが勉強した、英語のリスニング力をアップするリッスン＆リピート。先生が「Reprat after me！」と言ったあとに単語や英文を読み上げた懐かしいあの練習は、英語のリスニング力のみならず英語力全体を底上げしてくれるトレーニングなんです。

リッスン＆リピートがなぜ英語力アップに効果的なのか、そのメカニズムと正しいやり方を知って、今日からの英語学習がより一層効果を上げていくきっかけを掴んでもらえたら嬉しいです。

リッスン＆リピートとは

リッスン＆リピート（Listen&Repeat）は別名「リテンション」「リピーティング」とも言います。音声を使った音読トレーニングで、リスニングを中心に英語力を総合的に伸ばしていける練習方法です。

英語の音声を流し、耳から聞いた英文をそのまま復唱します。

このトレーニングでは流れてきた英文音声を一旦あたまの中で一時保存する必要があります。このとき、英文テキストを見ないで、聞こえてきた音声をそのまま再現するのがポイントです。

シャドーイングも同様に、聞こえてきた音声と同じように発声する練習ですが、リッスンアンドリピートとは少し違います。

シャドーイングは聞こえてきた英文に被せて少し遅れて繰り返すトレーニングです。音声の後を影のように追いかけながら同じように発音していくものです。

これに対し、リッスン＆リピートは英語音声を一旦聞き終わった後に、同じように繰り返す練習です。音声を聞き終わってから発声し、自分の声を音声に重ねないところがシャドーイングとの違いです。

同じリスニング練習でも、シャドーイングとリッスン＆リピートでは目的や効果が少し違ってきます。レベルとしてはシャドーイングの方が難易度が上がります。

シャドーイングとリッスン＆リピートの詳しい違いや、自分はどちらのトレーニングをするべきか迷ったら下記の記事を参考にしてくださいね！
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【使い分け】で上達！リピーティング、シャドーイング、オーバーラッピング

リッスン＆リピートは基本的にテキストを見ないで行います。テキスト付きリッスン＆リピートもありますが、英文に慣れないうちはテキストを確認しながらやっても良いですが、最終的にはテキストを見ないでやることでリスニング力が定着しますよ。

次に、リッスン＆リピートのトレーニングを行うことで得られるメリットを詳しくご紹介します。

リッスン＆リピートのメリット

リッスン＆リピートの練習がどのような効果をもたらすのかを詳しく見てみましょう。メリットを意識しながら行うことで、より一層効果がアップしますよ。

①リスニング力がUPする

英文を正しく発音するために英語音声をしっかり聞き取ろうと意識するので、英語音声を聞き取る集中力がつきます。これによりリスニング力がアップします。

②英語の本当の音をインプット＆アウトプットできる

英文を聞こえた通りに口に出すことで、英語の本当の音をインプット＆アウトプットできる効果があります。音声なしでただテキストを見ながら発声練習をしてもなかなか正しい英語の音を身につけることはできません。

③英語が自分のものになっている感覚が身に付く

英文の中にわからない部分があると、声に出す事はできないものです。なぜなら聞こえてきた音声を頭の中に一時保存してから口から出すので、知らない単語や文章は頭の中に留めにくいからです。

音だけでリピートできる（声に出せる）英語は、完全に自分のものになっている必要があります。だから本当にその英文を理解しているかどうかのチェックにもなります。そして英語の構文やフレーズを覚えることができ、徐々に自分のものになっていきます。

④英文をイメージで捉えらる力【英語脳】が作れる

聞こえてきた英語音声を一旦頭の中にキープするには、頭の中に保持するための「イメージ化」が必要になってきます。この時、日本語を介さず英語を英語のまま理解できる力がつくのです。

初級から中級レベルの人は、たった今聴いたばかりの英語でもすぐに忘れてしまいます。これは英語をイメージで把握していないので、どうしても記憶できないからなんです。

そこでリッスン＆リピートを繰り返すことで英文のイメージ化が身に付きます。

イメージ化することで頭に中に一時保存ができ、英語を読むのも早くなるし、英語をパッと聞いて日本語を介さずに英語のまま理解できるようになっていきます。

リッスン＆リピートを繰り返し練習することによって英語のイメージ化を強要することになるので、短期記憶保持力と英語力（文法力・表現力）がアップするというわけです。

こういったことから、総合的な英語力アップにつながることが分かるかと思います。

リッスン＆リピートのやり方

では実際に、効果的なリッスン＆リピートのやり方を４つのステップに分けて解説していきます。せっかく取り組むなら「ただなんとなく」やるのではなく、正しいやり方で最大限の効果を引き出しましょう！

Step１）テキストを見ずに耳から聞いた英文をそのまま復唱

最初は長い文章にチャレンジする必要はありません。まずは短い文章から始めましょう。いきなり長文にチャレンジするとハードルが高くなってしまいます。長文を頭の中に一時保存するのは難しいので、長い文章の場合は接続詞のところで一旦切って行う感じでOKです。

Step２）テキストを見て答え合わせを

記載されている英文と自身が聞き取って復唱した英文が一致しているかどうかを確認します。間違っていたら正しくできるまで繰り返しましょう。

Step３）もう一度リッスン＆リピートをしながら意味が理解できているかチェック

Step1では単純に英語音声と自分が発声した英文がきちんと合っていることを目指しますが、Step2ではリピートして英文を声に出しながら、意味が理解できる状態を目指します（イメージでOK）。

英語のイメージ化の練習なので、和訳はしないでOKです。英語を英語のまま理解する脳を作っていきます。

Step４）　長い文章にチャレンジ！

始めは短い文章で練習しますが、慣れてきたら長い文章でのリッスン＆リピートに挑戦しましょう。
最初はテキストの英文を意味の切れ目やポーズ（小休止）で短く分割しつつ、少しづつ長い文にして段階的にトライしていくと無理がなくておすすめです。

このように、Step1〜Step４の手順で段階的にトレーニングを進めていくと定着しやすいです。ぜひやってみてくださいね！

リッスン＆リピートにおすすめの教材４選

リッスン＆リピートの正しいやり方を理解するのと同時に、自分に合ったテキスト選びも重要です。リッスン＆リピートをするのに最適な私のおすすめ教材を４つご紹介します！

①パワー音読入門

パワー音読入門

「パワー音読入門」は音読用の参考書です。

英検やTOEICである程度英語を勉強してきた人でも英語を話せない、という人はとても多いです。このパワー音読入門は「英語を流暢に話すこと」に特化したトレーニング方法。

最初の方は短い文章で、途中から少しずつ長い文章になっていくので段階的にトレーニングできます。初心者向けの内容で、これからリッスン＆リピートをやる人におすすめです。

・ささやき音読（子音発音向上）
・感情音読（感情と英文を直結）
・タイムアタック音読（脳に叩き込む）

など様々な面白いステップから成り立っており、なかなか楽しく練習できますよ。

リスニング力のみならずリーディング力、英会話、英語の構文をしっかり体に染み込ませるような練習もできるのでおすすめです。

②リスニングのお医者さん

リスニングのお医者さん

リスニング力を高めることに特化して頑張るならこの「リスニングのお医者さん」がおすすめです。

リスニングのお医者さんはシリーズで「初診編」「通常バージョン」などがあり、通常バージョンが一番売れているのですが文章が長くスピードも早いので、リッスン＆リピートの練習をするなら初診編がおすすめです。
初診編は初心者向けに作られた教材なので文章の長さもリッスン＆リピートにちょうど良いです。
この本ではリンキング（単語と単語の繋がり）など音変化のルールをしっかり学ぶことができ、リッスン＆リピートしながら自分でも英語の音のルールに沿った発音ができるようになっていきます。

③みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング

みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング

こちらの本はリスニングトレーニングの全てを詰め込んだような一冊でとても有名なテキストです。この1冊で音読・リスニング・リピーティング（リッスン＆リピート）・シャドーイングをすべてパッケージにしてトレーニングを行うことができるので、これを「音読パッケージ」と言っています。
リスニングの「意味理解」や「英語の語順で理解していく力」をつけることができ、同時にスピーキング力、リーディング力も上がっていくのでおすすめです！

④TOEIC公式問題集（Part１,Part２）

公式TOEIC

TOEICの勉強中の方でしたら、自分が普段勉強しているTOEIC公式問題集を利用するのもおすすめです。特に問題集のPart１,Part２をリッスン＆リピートすることで、リスニング力をつけながらTOEICの問題にも慣れるというメリットがあり一石二鳥です。ぜひトライしてみてくださいね。

お勧め教材を４冊ご紹介しました。これは自分に合っていそうだなとか、この教材なら続けられそうだなと思えるものを選んでやってみましょう。

「正しいやり方」と「自分に合った教材」で今日からより効果的にリスニング力をアップしていこう

どんな勉強法でも毎回お伝えしているのは、ただなんとなく始めるのではなく正しいやり方を知ってから行うことです。そして自分のレベルにあった最適な教材を選ぶことも同じくらい大切です。そこを押さえておけば、あとは毎日短時間でも良いので継続して取り組む習慣をつけたり、無理のない範囲で飽きずに続けられる工夫をしながら頑張ってみてくださいね。

この記事はこの記事は動画でも詳しく解説しています。こちらもぜひ見てくださいね！

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