2024年度から英検問題がリニューアルされました。
英検2級・準1級・1級に要約問題が追加されて、 要約問題対策に悩んでいる学習者さんは多いです。
そこで、実際の試験で要約問題を攻略できるように特別な学習をするというよりも、普段の英語学習の中で要約力も同時に磨いていく 、そんな学習方法をお伝えしたいと思います。
要約力を身につけることは読解力の底上げに繋がります。
要約問題を解けるようになることで英語力そのものが上がっていくイメージを描きながら、ポイントをつかんで学習していきましょう!
目次
要約とは
そもそも要約とはなんでしょうか。まずはここをしっかり把握しましょう。
要約とは、
・要点をとりまとめること
・内容はそのままに文を短くして伝えること
です。
要するに何が言いたいのか?を、
「この文章はこんな話なんだよ」
と大事なポイントを余すとこなくおさえながら説明してあげることです。
1級の要約問題は、
・300文字程度の英文を、
・約90〜110文字の文字数で要約する
このようになっています。
そこで、要約問題攻略のために必要な2つのスキルをご紹介します。
要約に必要なスキル①読解力
文章を要約するには読解力が必要です。
ただ読解力と言っても、
・長文がスラスラ読める
・文の意味が正確に理解できる
というのはもちろんのことですが、それだけではたりません。
話の全体を見渡せるパラグラフ・リーディングが必要です。
「全体のテーマは何の話であるのか?」
を踏まえながら、
「各段落のポイントは何か?」
をしっかりおさえた読解力が要ります。
段落と段落の繋がりを読み取り、どんな流れで話が展開しているのか?
結局、筆者が言いたいことは何なのか?を正確に読み取りましょう。
「木を見て森を見ず」の読み方ではダメです。木を見つつ、森を見る読み方が大事なのです。
要約に必要な力②ライティング力
当たり前のことですが、正しく読解し、要約した文章を英語でわかりやすく伝えるライティング力が必要です。
ここで必要なのは、抽象度を上げる書き方をすることです。
要約文は短く簡潔にまとめる必要があるため、具体的な事柄を書き連ねていては要約になりません。具体的な事柄をひとまとめにし、抽象度を上て説明する力が必要です。
わかりやすく理解するために、ここで具体と抽象について簡単に説明しましょう。
【具体】の例:水・牛乳・コーヒー・紅茶・ビール・・・
これらを抽象度を上て表現すると
「飲み物」
となります。
こうして具体→抽象化することで文章を短くすることができます。
次に例文で見てみましょう。
要約例文)
①スマホでは、漢字や計算や英会話を学べるアプリがある
②子供たちは、スマホで友達と連絡を取って宿題を教えあったりできる
③スマホを通して、ITの仕組みや活用方法を学べる
この①〜③の3つの具体的な文章を、抽象度をあげて要約すると、
「スマホは子供の教育に役立つ」
このように簡潔にまとめることができます。
この時大事なのは、問題文の中から抜き出すのではなく「自分の言葉で書くこと」が求められます。
要約問題の採点ポイントは4つ
要約文はどのような基準で採点されるのでしょうか。
採点ポイント①内容(8点)
最も重要なのは、「要約になっているかどうか」です。
要約文なので当たり前のことなのですが、ここがしっかりできていることを意識しましょう。
・要約になっているか?
・きちんと余すとこなくポイントを伝えているか?
意識しながら書きましょう。
回答がちゃんと要約になっていないと判断された場合は、0点と採点されることがあります。
問題文の中から適当に単語をピックアップして並べても、きちんと「要約」になっていなければ、たとえ正確な文法で書かれていても点数は取れません。
採点ポイント②構成 (8点)
要約文の構成も採点基準になります。
・問題文の全体構成に沿っているか?
・ディスコースマーカーを使って話の流れを作っているか?
ディスコースマーカーとは、つなぎ・接続表現のことで、however,therefore,moreover
などがあります。
接続表現をしっかり使いながら論理的な構成の要約文になっていることが好ましいです。
採点ポイント③語彙(8点)
要約文は、語彙力も求められます。
・内容に相応しい英単語が使われているか
・自分の言葉で書いているか
ここを意識して書きましょう。
抜き出した単語をそのまま使用するのではなく、しっかりパラフレーズ(言い換え)して書くことが大事です。
問題文にも、”in your own words as far as possible in English”としっかり指定されています。
自分の言葉で説明できるということは、文章の内容をしっかり噛み砕いて理解できているということです。
必ずしも1級レベルの英単語で書く必要はありません。ただ、問題の内容が難しいので、必然的に、準1級〜1級レベルの単語や語彙も使わざるを得なくなってくると思います。しっかり対策しましょう。
採点ポイント④文法 (8点)
要約文が正しい文法で書かれているかどうかも採点基準となります。
・正しい英文法で書かれているか?
・わかりやすく伝わる文章になっているか?
正しい英文法であるのはもちろんのこと、読み解くのが難しい構成ではなく伝わりやすい文章であるかどうかというところも大事です 。
要約文なので長すぎる文章にならないように、1文を短めにまとめられるとベストです。
ーーーーーーーーーー
このように、「内容」「構成」「語彙」「文法」の4項目がそれぞれ8点ずつで、合計 32点で採点されます。
これは従来の英作文の配点と同じです。つまり、この要約文は今までの英作文と同じぐらい重要視されているということです。
要約文の対策については、知識は不要です。書くべきことは全て本文の中にあります。 本文に書いてあることを「 つまりこういうことなんだ」と 簡潔に説明してあげるだけで良いのです 。その辺りは自由英作文よりは格段にやりやすいはず なので、しっかり対策をすれば恐れる必要はありません。
「内容」「構成」「語彙」「文法」
こ4つの観点がきちんとできているか、ここをしっかり押さえながら書く練習をしましょう。
要約力の鍛え方
要約力を養うために、日頃からどのような学習をしたら良いかのヒントをお伝えします。
英検対策の勉強中に要約もしてみる
要約文対策のために何か特別な学習をするというよりも、普段使っているる過去問、文単、英検の問題集を使うのが手っ取り早いでしょう。
要約文の練習のために時間をさくというより、単語やリーディング問題などの勉強をしている時に、問題を解いていく中で要約しやすそうな文章があれば ピックアップして要約してみる、というやり方がおすすめです。
どんな文章が要約の練習に向いているかというと
・問題提起がされていて、解決方法が書かれているもの
・因果関係があるもの
・構成がはっきりしているもの
などです。
リーディング問題のパート2や、説明文のリスニング問題の英文なども要約の練習におすすめです。
リーディングの練習の合間に、スクリプトを読んで要約してみましょう。
パラグラフリーディングをしながら読む
要約の練習をする時はパラグラフリーディングを意識しながら読むことが ポイントです。
・ この長文は何の話なのだろう?
・ テーマは 何だろう?
・ 各段落のポイントを自分で説明するとしたら?
・全体を通して言いたいことは?
こういったポイントを意識しながら読んでいくことで要約力に直結していきます 。
長文問題 を日本語で説明してみる。
要約するときに、まずは 日本語で説明できることが大事です。
・この文章は〇〇についての話だ
・1段落めで言いたいことは〇〇
・2段落めで言いたいことは〇〇
このように日本語で、そしてできれば 口に出して説明してみましょう。そしてそれを英語で書いてみるのです 。日本語で説明できれば、それを要約することも容易になります。
ここで「口に出して説明してみる」というのがポイントで、声に出して説明できるということは、しっかり理解ができているという証拠です。
1つ前の級の長文で要約の練習をしてみる
1級の長文は非常に難しいです。 要約文の練習をする際に1つ前の級、つまり1級を目指している人であれば準1級の長文を使って練習をしてみることをおすすめします。
実際に英検協会から出ている要約問題のサンプルを見ると、準一級レベルの文章である印象があります。
1つ級を落として練習することに抵抗がある人もいるかもしれません。ですが 1級を目指している人の中にも、準1級レベルの読解力が完璧とは言えない人も少なからずいます。
要約力を身につけるということは読解力に直結していきますので、 まずは準1級の長文で要約の練習をしてみて、土台をしっかり作っていきましょう。
ライティング力の伸ばし方
これまで要約力を磨く方法について解説してきました。要約ができるようになったら次に必要なのはライティング力。ここでは書く力を身につける方法を解説していきます。
パラフレーズ力を身につける!
要約文を書くときは、言い換え可能なものは極力パラフレーズ(言い換え)して書きましょう。
そのためには、
英単語を覚える際に、「類義語」も一緒に見るクセをつけるのがおすすめです。
類義語を暗記までする必要はありませんが、日頃から類義語まで調べることで「この単語はこういう表現もできるのだな」と、別の表現方法に触れておくと引き出しが増えます。効果がありますのでぜひやってみてください。
準1級の単語も復習しておこう
1級の要約文は必ずしも1級レベルの単語を使う必要はありません。 ただ準1級 レベルの単語は今一度見直しておいても損はありません。 準1級の単語も怪しいな・・と自信のない人は、ぜひこれを機会にしっかり復習しておきましょう 。
要約に役立つ英文法をおさらいしておこう
要約文を書くために役にたつ文法もおさらいしておきましょう。
例えば以下のような文法が使えます。
・分詞構文
・関係代名詞、関係副詞
・〜,関係代名詞
・to不定詞
・接続詞や前置詞の使い方
例)
By~ing : ~することによって
Owing to / Due to :~のせいで、おかげで
Althogh S+V:それでも、〜
however/therefore/moreover :ただし/したがって/どの上で、さらに
このような、アカデミックライティングでよく使うような接続副詞は使いこなせるようにしておきたいところです。
因果関係を表す言い回しもマスターしておくと良いですよ。
例)
A leads to~:A は〜を引き起こす
,causing B :〜を引き起こしながら
今一度復習してみてくださいね。
要約練習はとにかく書くに限る!
ライティングは、とにかくまずは書くことです。
一つ前の級の長文を使っても良いし、リスニング問題パート2の英文を簡単に要約してみても良いです。
自分の要約文がこれで良いのかわからないときは、 ChatGPTを使って添削してもらうのもおすすめです。
元の英文をChatGPTに入力して、
「 準1級 レベルで○○文字前後で要約文を作ってください」
とお願いして 模範解答を作ってもらい、自分が作った要約文と見比べてみるのも良い練習になるでしょう。
他にも、
・TEAP(英検協会)が作っている 試験問題
・ IELTS( アカデミック)の WritingTask 1
なども参考になります。
IELTSは要約文ではなく図表の説明ですが、要約に似ているので雰囲気を掴めます。
英検1級に受かった後は IELTS を目指す人も多いので、そういう意味でも一度見てみると役に立つかもしれません。
まとめ〜要約力が身に付くと読解力も上がる!
英検1級の要約文を攻略するために必要な「要約力」と「ライティング力」を上げる方法について解説してきました。
要約の学習は、 読む力に直結するため読解力が上がります。読解力が上がると正答率が上がります。さらに要約力は長文問題対策にもなります。内容一致問題や空所補充の問題も解きやすくなっていくでしょう。
要約問題の対策をすることが、英語力全体の底上げにも繋がっていきます。ぜひ前向きに取り組んで欲しいなと思います!
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WRITER この記事を書いている人
MAKI
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