オリンピックは終わってしまいましたが、平昌では今まさに、パラリンピックが開催されています!
パラリンピックは、正式名称を“Paralympic Games”といいますが、この“Paralympic”という言葉、
“Para” + “Olympic”
の造語であることは想像に難くないと思います。
ですが、
この「パラ」=”para”って何だろう?
と思ったことありませんか?
“para”は、英単語における主な接頭辞の一つでもあります。
※「接頭辞」とは、頭に付くことで特定の意味を与える役割をもつ、単語の要素です。
例えば、
parasol(パラソル)、
paragraph(パラグラフ=段落)、
paralegal(パラリーガル)など・・・
日本語になっている言葉だけでも幾つか思いつくかと思います。
今日は”paralympic”の、”para”とは一体どういう意味なのか?
“para”の由来や解釈についてご説明したいと思います。
そして、これを機に、接頭辞”para”の意味を理解しておくと、接頭辞”para”を含んだ単語を覚えるときにも役立ちますよ。
元来は”Paraplegic”+”Olympic”
“Paralympic Games”の元々の語源は、
“Paraplegia”+”Olympic”
の造語であったとされています。
Paraplegiaとは、主に
脊椎の損傷によって起こる下半身の麻痺
のことを言います。
そもそも、パラリンピック大会の起源は、1948年のロンドンオリンピック開会式と同じ日に、イギリスのストーク・マンデビル病院で行われた「ストーク・マンデビル競技大会」とされています。
この競技大会では、第二次世界大戦で負傷した兵士たちのリハビリテーションとして「手術よりスポーツを」の理念で始められました。
この病院には、かの戦争で脊髄を損傷した入院患者のためのリハビリ施設があり、競技者は、車椅子の患者、その多くは“Paraplegia”、すなわち脊椎損傷による麻痺を抱えた患者でした。
この「ストーク・マンデビル競技大会」は毎年行われ、1952年に国際大会になりました。
IPC(=International Paralympic Committee、国際パラリンピック委員会)によると、“Paralympic”の表記が最初に確認されたのは、1953年のイギリスの新聞の見出しだそうです。
ただし、その後、大会が”Paralympic”という名で呼ばれるようになったのは、1960年。
この年のオリンピックが開催されたローマで、第9回国際ストーク・マンデビル競技大会が開催され、この大会が、今では「第1回パラリンピック」と呼ばれています。
公式の定義は”Parallel”+”Olympic”
実は、パラリンピック(Paralympic Game)が現在のようなオリンピックと同時開催となったのは、わりと新しい話で、1988年のソウルオリンピックなんです。
当初は、下半身不随の車椅子使用者を対象としたパラリンピックも、次第に障害の対象を広げ、“Paraplegic”(下半身不随)+”Olympic”から実態が離れていたため、
IOC(国際オリンピック委員会)が”Paralympic”の解釈を
ギリシャ語由来の「平行の」を意味する接頭語、
“para”にちなむ大会であるとしました。
つまり、
“a competition held in parallel with the Olympic Games”
(オリンピック大会と並行して開催する大会)
としたのです。
こうして、パラリンピックは
“Para”(平行の)+”Olympic”
いうなれば「もう一つのオリンピック」という位置づけになったのですね。
接頭語”para-“の意味は?
接頭語、”para-“の意味はいくつかあるのですが、大別すると、語源により2種類あります。
一つは、ギリシャ語の”para”で、beside, near, fromなど「~の近く」といった意味になります。
もう一つは、ラテン語の parare 「準備する、遮る」の意味です。
前者の例としては、parallel「平行な」、paralegal「パラリーガル」などですね。
後者の例としては、parasol「パラソル、日傘」です。
ちなみに、”para-後に母音が続く場合は par- となります。
「身体障がいしゃ者」を英語で?
パラリンピック出場の対象者は、身体に何らかの障がいを抱えている方、いわゆる「身体障がい者」ですが・・・
この「身体障害者」は英語では、一般的に
a disabled person
a person with a disability
と言います。
disabledは、able(~することができる)の派生語で
ableに「反対」の意味の接頭辞がついた形です。
例えば、イギリスなどで「身体障害者用トイレ」は
“toilets for the disabled”
と表示されています。
「身体障害者」は、
a (physically) handicapped person
という表現もできますが、現在では不適切な表現とみなされています。
一方、近年では婉曲的(遠まわし)な表現として、
a physically challenged person
a person with different abilities
といった呼び方が好まれて使われたりもします。
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WRITER この記事を書いている人
MAKI
3ヶ月で必ず目標達成をさせる英語コーチ。オンライン(Zoom)で英語コーチングプログラムを提供。世界でもっとも認知度の高い国際的英語指導資格(ケンブリッジCELTA)を持地、1000人以上の英語指導経験から、お一人お一人にあった英語学習戦略を組み立て、徹底サポート。自身が「英語が話せない」「TOEIC490点」「長い英語コンプレックス」という状態から、ほぼ独学で、TOEIC960点、英検1級、通訳・翻訳をこなすスピーキング力を身につけた逆転の女王(笑)へ!「英語が苦手!嫌い!」という学習者の気持ちが熟知し、1日も早く英語マスターへと導くお助けマンです。
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